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2019/04/07

「にぎわい座名作落語の夕べ」(2019/4/6)

第199回「にぎわい座名作落語の夕べ」
日時:2019年4月6日(土)18時
会場:横浜にぎわい座 芸能ホール
<  番組  >
前座・三遊亭馬ん次『狸の札』
金原亭馬玉『大山詣り』
五街道雲助『九州吹き戻し』
~仲入り》~
桂文治『お血脈』
柳家権太楼『天狗裁き』

「桜がなくても桜木町」、第199回「にぎわい座名作落語の夕べ」は顔づけが良いせいか前売り完売の盛況。

馬ん次『狸の札』 、声も滑舌もいい。

馬玉『大山詣り』
この長屋の大山詣りは毎年喧嘩が起きる。それも相手変われど主変わらずで、いつも発端は熊五郎だ。そこで今年のお山には決め式があって、怒ったら二分の罰金、手を上げたら丸坊主にするというもの。
この出だしの部分にはいくつか演じ方がある。
1、決め式を地噺で説明するもの
2、先達が今年はお山には行かないっと言い出し、周囲がなだめて決め式をするもの
3、先達が熊五郎に長屋で留守番をするよう申し付けるが、熊五郎が反発したため先達が決め式をするもの
馬玉は3、の演じ方で、熊五郎が畳を叩くというのは志ん朝譲りか。
その後は常法の運びだったが、この人らしく丁寧に演じていた。

雲助『九州吹き戻し』
冒頭で、今ではほとんど演じ手がいないと。長いし難しい割には儲からないネタということだろう。他には現役では立川談春が得意としている。
ストーリーは。
「タイコモチ揚げての末のタイコモチ」をそのままに、若旦那の喜之助は放蕩の末に家屋敷を畳んで江戸を出て西に向かい、九州の熊本に着いた頃には路銀を使い果たして一文無しのスッテンテン。ままよとばかり「江戸屋」の看板の旅籠に泊まるが、その主人が偶然にも喜之助とは旧知の遊び仲間。江戸屋も江戸から流れ流れて熊本で旅籠を営んでいたのだ。主人の勧めで旅籠の料理人になったが、腕はいいし、昼は近所の子供に歌や踊りを教え、夜は幇間宜しく座敷で客を取り持つ。客から可愛がられ祝儀が集まり、3年後には100両近くの金が貯まった。江戸屋の主人はもう少し辛抱すれば暖簾分け出来ると勧めるが、100両の声をきいた喜之助は、矢も楯もたまらなく江戸に帰りたくなる。主人にそう打ち明けるとご贔屓に奉加帳を回してくれて、締めて125両が喜之助の懐におさまった。
港に向かうと、折よく江戸へ向かう船がみつかり、いよいよ江戸に向かって船出。最初は天候に恵まれたが、玄界灘に差し掛かった頃に海は大荒れ。大波で船は右に左に大揺れで、喜之助はもう生きた心地もない。2日2晩、木の葉のごとく波に揺られて、ようやく船は大きな音とともに島に打ち上げられた。
気がつけば桜島。喜之助は熊本から薩摩まで、江戸から遠くへ吹き戻されてしまった。
喜之助は、一見居残りの佐平治と重なる様な人物像にも見えるが、佐平次がワルで世間を斜めに構えているのに反し、喜之助は真っ直ぐだ。
江戸を食い詰めて都落ちしていたが、江戸への望郷心は募るばかり。金が出来れば、帰心矢の如し。そうした喜之助の心情を雲助は巧みに描いていた。もう一つの聴かせ所は暴風雨に揉まれる船中の描写で、ここも迫力十分だった。

文治『お血脈』
本編は短いので、仏教伝来にまつわるエピソードや小咄に、クスグリをふんだんに盛り込んだ長いマクラが振られる。文治を初めてという人も多かったのだろうか、会場は大受けだった。
不況に陥った地獄では景気対策として、閻魔大王と閻魔副大王の地盤を結ぶ道路建設が計画された、という時事ネタもあり。

権太楼『天狗裁き』
大声援のせいか、この日の権太楼は気合が入っていた。海外旅行についてのやや長めのマクラから本題へ。
私はこのネタと『夢の酒』が好きだ。その理由はリアリティが感じられるからだ。
夢というのは不思議なもので、内容を憶えている場合もあれば、夢を見たことは憶えていても内容はすっかり忘れてしまっていることも多い。
また、夢の内容を他人に話せない場合もある。以前に、社員旅行に行って温泉に浸かっていると、女子社員たちが代わる代わる湯船に入ってきた夢を見たことがあるが、そんなもん女房に話せる筈がない。絶対に軽蔑されるに決まっている。だから、この男の気持ちは良く分かる。
権太楼の高座では、どうやらこの男、夢の中で女性の名前を口走ったようだ。それがサゲになっていた。

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コメント

春の横浜、っていう場がまたいいですね。江戸ならぬハマの風が吹く。
文治は界隈での評判はイマイチですが、「お血脈」はニンに合っているのでしょうね。
源平などよりも。

福様
権太楼は文治は陽気で好きですと言ってました。文治のアクの強さは強みでもあり弱点にもなりますが、この日のお客には受けていました。

久しぶりにアクセスできました。
文治が出なければ行きたかった。

佐平次様
ココログは未だ不具合が治っていないようでご迷惑をお掛けしています。
仲入りで雲助、トリが権太楼とあって、他は目をつぶる事にしました。

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