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2019/04/26

笑福亭たま深川独演会(2019/4/25)

「笑福亭たま深川独演会」
日時:4月25日(木)19時
会場:深川江戸資料館 小劇場
<   番組   >
瀧川鯉丸『かぼちゃ屋』
笑福亭たま『いらちの愛宕詣り』*
桂塩鯛『試し酒』
笑福亭たま『口入屋』*
~仲入り~
笑福亭たま『落語と私』
(*ネタ出し)

上方落語の俊英(勝手に名付けたが)・笑福亭たまの深川独演会、番組が面白そうだったのと、ゲストの桂塩鯛が久々だったので出向く。

鯉丸『かぼちゃ屋』、鯉昇の弟子で芸協の二ツ目、素直な印象の高座で好感が持てる。

たま『いらちの愛宕詣り』
東京では『堀の内』というタイトルでお馴染みのネタだが、通常の演じ方とだいぶ中身を変えていた。
①いらちの男が翌朝顔を洗いに行くと、釣瓶井戸に落ちてずぶぬれになるのを3回繰り返す。
②着物を着てから褌をしめて女房に叱られる。
③男は西へ向かわねばならないのに東に向かったので北野天満宮に着き、また自宅に戻るのを2回繰り返す。
④弁当と間違えて枕を腰巻に包んでいたという所はカット。
⑤隣の奥さんに叱って、自分の女房に謝るサゲはカット。
⑥代わりに、いらちが治らないので愛宕神社に文句を言いに行くと、そこが北野天満宮だっというサゲにしていた。
他の演者に比べハイテンションでスピーディに展開させていて、大受けだった。

塩鯛『試し酒』
上方の噺家は型破りの人が多いので、マクラの種に困らない様だ。
このネタは古典の様に扱われているが、昭和初期の新作落語。5代目柳家小さんが絶品で、今も小さんの型で演じられている。
塩鯛の高座は細部に至るまで東京と同じ演じ方だったが、5升目の飲み方だけはかなりきつそうに飲んで見せた。
上方の噺家が東京で演じる場合、東京でも馴染みのあるネタを選ぶ傾向がある気がするのだが、こちらとしては寧ろコテコテの上方落語を聴いてみたい。

たま『口入屋』
1席目と異なりこちらのネタは改変は無く、以下の部分をカット又は短縮して演じた。
①丁稚が口入屋に行って器量の良い女中を店に連れ帰るまで
②番頭の命令で早寝させられた奉公人たちが、女中を狙ってお互いに牽制しあいながら寝付くまで
省略した部分は大筋には影響せず面白さは損なわず、却ってストーリーとしてはすっきりとしたものになっていた。
たまのこうした工夫が観客に受けている。

たま『落語と私』
新作のタイトルは桂米朝の著作。ある男が落語の『たちぎれ線香』を聴いて、中に出てくる「こ糸」に恋してしまう。相談を受けた友人が、それなら落語の世界に入って会いに行こうと誘い、『こぶ弁慶』の名人・浮世又平の子孫に頼み、米朝の著作に二人の名前を書いて貰うと、本当に落語の世界に入ってしまうという噺。中身は、お馴染みの噺を次々と繋いだ「五目落語」(又は「落語ちゃんちゃかちゃん」)ともいうべき代物。『弥次郎』から始まって『天狗裁き』でサゲるまで、十数個のネタが全て分かれば、あなたも落語通です。

 

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コメント

たまを見ると、三三を連想します。一徹でトンガった感じ。
この両名が東西を代表する時代が来るかな。
『落語と私』のような知的な噺はこのヒトの一美点なんでしょうね。

福様
たまの良さは古典と新作を両立させていて、古典もきっちりと演じる事も出来るし、今回の様に改変して演じることも出来る点です。
才能からみれば、東京の噺家では喬太郎に近いと思います。
いずれ上方落語界を背負って行くことになるでしょう。

これは楽しそうです。

佐平次様
こういう気楽に楽しめる会もいいもんです。

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