ボクの友人も両親から捨てられた子だった
一時期、会社の同僚で今も親しく付き合っている友人Aさん。未だお互いが20代だった頃、初めて彼から身の上話を聞かされた。
それは終戦から間もなくの時代に、彼の父親が殺人を犯し刑務所に入ってしまった。母親は他に男を作り育児放棄だ。Aさんとその姉は食べるものが無く栄養失調になり、姉はそのまま餓死してしまう。残されたAさんも痩せた身体にお腹だけ大きく膨らんだ危険な状況になっていた。
幸いにも、伯母さんがAさんを見つけて家に引き取り、自分の子として育ててくれた。
Aさんはこの話を淡々と語ってくれたが、聞いていたボクは泣いた。彼にそれほど辛い過去があるとは知らなかったのだ。
一度だけAさん宅を訪れ、伯母さんに出会ったことがあるが、とても優しそうな人だった。彼は幸せだと思った。
Aさんが偉いのは、後年出所してきた父親を引きとり、最期を看取ったことだ。なかなか出来る事じゃない。
報道によれば、川崎市登戸殺傷事件の岩崎隆一容疑者も、幼い頃に両親から捨てられ伯母夫婦に引き取られたとのことだ。Aさんとは異なり、伯母夫婦に実子がいたこともあって、より辛い人生を送ってきたのだろう。
Aさんと岩崎容疑者、それぞれの人生を改めて考えてみた。
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