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2019/05/02

「慰安婦問題」論争ドキュメンタリー映画『主戦場』(2019/5/2)

10連休に映画の1本も観ようかと思い立ち、5月2日に渋谷「シアター・イメージフォーラム」へ。最初の上映開始時間10時50分の回に入場したのだが、30分前にはこの日の4回の上映チケットは全て完売だった。
へえー、あっし同様の物好きが多いのかな。前日に予約しておいて良かった。

この映画の監督・脚本・撮影・編集・ナレーションを担当したミキ・デザキの経歴は以下の通り。
1983年、米フロリダ州生まれの日系米国人2世。ミネソタ大ツイン・シティーズ校で医大予科生として生理学専攻で学位を取得後、2007年に来日し、外国人英語等教育補助員として5年間、山梨県と沖縄県の中高等学校で教壇に立つ。同時期から、YouTuberとしてコメディー映像や日本、米国の差別問題をテーマにした映像作品を数多く公開。タイで仏教僧となるための修行の後、15年に再来日した。
本作が初映画監督作品。

ミキ・デザキがなぜ従軍慰安婦問題に関心を持ったかというと、日本の差別問題をとりあげた作品をこさえたとこ、そのスジから「日本には差別なんかない!」「そんなこと言う奴は中国人か朝鮮人だ!」といったお馴染みの非難、中傷、脅迫を浴びた。
デザキは、そのスジの人たちの主張に却って好奇心を掻き立てられ、敢えて従軍慰安婦をテーマにした映画に取り組んだようだ。

ミキ・デザキ監督は先ず、このテーマの日・韓・米の論客たちにインタビューした。27人の人はいずれも本作品の中に登場している。
トニー・マラーノ(a.k.a テキサス親父)、藤木俊一(テキサス親父のマネジャー)、山本優美子(なでしこアクション)、杉田水脈(衆議院議員・自由民主党)、藤岡信勝(新しい歴史教科書をつくる会)、ケント・ギルバート(カリフォルニア州の弁護士、日本のテレビタレント)、櫻井よしこ(ジャーナリスト)、吉見義明(歴史学者)、戸塚悦朗(弁護士)、ユン・ミヒャン(韓国挺身隊問題対策協議会)、イン・ミョンオク(ナヌムの家の看護師、元慰安婦の娘)、パク・ユハ(日本文学者)、フランク・クィンテロ(元グレンデール市長)、林博史(歴史学者)、渡辺美奈(アクティブ・ミュージアム 女たちの戦争と平和資料館)、エリック・マー(元サンフランシスコ市議)、中野晃一(政治学者)、イ・ナヨン(社会学者)、フィリス・キム(カリフォルニア州コリアン米国人会議)、キム・チャンロク(法学者)、阿部浩己(国際法学者)、俵義文(子どもと教科書全国ネット21)、植村隆(元朝日新聞記者)、中原道子(「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクション・センター)、小林節(憲法学者)、松本栄好(元日本軍兵士)、加瀬英明(日本会議)

映画は、慰安婦たちは「性奴隷」だったのか?「強制連行」は本当にあったのか? 元慰安婦たちの証言の信憑性は? 日本政府の謝罪と法的責任とは? といったテーマごとに肯定派と否定派それぞれの主張を紹介し、主張の元になった資料や映像が挟まれるドキュメンタリータッチ。
論点が浮き彫りになるにつれ、論争の背後にあるカラクリが次第に明らかになって行く。
タイトルの「主戦場」の意味も。
それは、見てのお楽しみ。

印象に残ったのは、否定派の面々の仕草や表情だ。
テキサス親父は、ブスとやる時は相手の頭に紙袋をかぶせるんだと言いながら、慰安婦像の頭から紙袋をかぶせていた。親父、大丈夫か?
資金の件を質問された櫻井よしこは、一瞬当惑の表情を浮かべてからニッコリと「お答えしません」。さすが、元キャスター。
杉田水脈を見て、かつてのオウム真理教の「ああ言えば上祐」を思いだした。薄っぺらい言葉を並べるとこがね。
そして、最後に登場した日本会議の代表委員であらせられる加瀬英明、トリに相応しい実にいい味を出していた。この男の表情を見、発言を聞くだけでもこの映画を観る価値があるかも。

 

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コメント

顔で人を判断してはいけない、、でも一目瞭然でしたね。

佐平次様
顔というより大事なのは表情です。表情は嘘をつかない。
加瀬英明の表情や珍説から、この人物の人間性が覗えます。

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