「上方落語会」(2019/5/12)
第61回「上方落語会」
日時:2019年5月12日(日)14時
会場:横浜にぎわい座 芸能ホール
< 番組 >
林家愛染『あみだ池』
林家花丸『平成無い物買い』
桂団朝『一文笛』
≪仲入り≫
桂花団治『昭和任侠伝』
笑福亭たま『令和の人』
横浜にぎわい座 「上方落語会」は改元特集ということで、明治、大正、昭和、平成、そして令和の時代に因んだネタが披露された。
上方落語にお馴染みのない方向けに、にぎわい座のHPから出演者のプロフィールを紹介する。なんて偉そうに書いているが、当方も花丸とたま以外は初見だ。
林家愛染(はやしや あいそめ)、上方落語界の自称「らぶりん」。
林家花丸(はやしや はなまる)、2014年文化庁芸術祭優秀賞・繁昌亭大賞・大阪文化祭賞奨励賞と一気に三冠受賞する。趣味は宝塚歌劇。
桂団朝(かつら だんちょう)、2012年繁昌亭奨励賞受賞。落語だけでなく、役者としても活躍。
桂花団治(かつら はなだんじ)、1988年MBS落語家新人コンクール優勝。大阪青山大学客員教授、放送芸術学院専門学校講師などで、教壇に立つことが多い。
笑福亭たま(しょうふくてい たま)、2017年国立演芸場花形演芸会大賞、2004年文化庁芸術祭新人賞など多数受賞。特技は落語界のマーケティングとコンクールの傾向分析。
愛染『あみだ池』
時代は大正。本来は、男が隠居宅を出てから町内の知人、次に隣町の知人を訪れるのだが、最初の知人の場面をカットしていた。開口一番で時間の関係もあったのかも知れないが、オリジナルで演じて欲しかった。
花丸『平成無い物買い』
時代は平成、ちょっと無理があるけど。古典落語の『無い物買い』を現代風にアレンジした改作。日本人とアメリカ人の二人が色々な店に入り、その店にはありそうも無い物を注文して困らせるというストーリー。寿司屋に入れば、ネタにサメやイルカを注文する。店主の方も負けていられず、「それならイルカに乗った少年はどうですか?」と、「なごり雪」のレコードの上に若い店員を乗せる。こんな感じのギャグ満載で、面白く聴かせていた。この人は上手い。
団朝『一文笛』
桂米朝作だが、時代は明治。良く出来た噺で、今では東京の噺家も高座にかけている。今は堅気となった兄貴分が、怒ってスリを改心させる場面は迫力十分。締まった高座を見せていた。
花団治『昭和任侠伝』
桂音也が1970年代初めに創作した新作落語。当時人気のあった、高倉健や鶴田浩二らが主演した東映任侠映画のパロディが散りばめられた噺。 こうした時代色の強い噺はズレがおおきくなるので、今のお客にどこまで通用しただろうか。
たま『令和の人』
上方落語四天王のエピソードをマクラに振って、出来立てホヤホヤの新作。
令和元年に生まれた娘が25年、つまり24歳になるまでの娘の両親の物語。生まれた時に易者が予言したことが、その通り当たるというストーリー。かなり強引なコジツケだが客席を沸かせていたのは、たまのセンスによるものだろう。
これにて、5つの時代をネタにした会は終了。
終演後、出演者全員による見送りがあった。
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