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2019/06/16

花形演芸大賞受賞者の会(2019/6/15)

「平成30年度花形演芸大賞受賞者の会」
日時:2019年6月15日(土)18時
会場:国立演芸場

<  番組  >
前座・柳亭市朗『手紙無筆』
古今亭志ん五『魚男』
うしろシティ『コント』
坂本頼光『活弁”石川五右衛門の法事”』
三笑亭夢丸『権助提灯』
神田松之丞『扇の的』
―仲入り―
『平成30年度花形演芸大賞 贈賞式』 司会:桃月庵白酒
【大賞】 江戸家小猫(ものまね)
【金賞】神田松之丞(講談) 桂吉坊(上方落語) 三笑亭夢丸(落語) 坂本頼光(活動写真弁士)
【銀賞】古今亭志ん五(落語) うしろシティ(コント) 入船亭小辰(落語・欠席) 桂雀太(上方落語)
桃月庵白酒『粗忽長屋』
桂雀太『商売根問』
桂吉坊『胴切り』
江戸家小猫『ものまね』

マクラ代わりに全体の感想をいくつか。
受賞者の会に前座を出す意味が分からない。どうしても出すと言うなら普段の寄席の様に開演前に出すべきだろう。
審査員の講評が踏み込み過ぎていた。こういう場で、あまり個人的な感想を述べるのは感心しない。
神田松之丞が昨年銀賞だったのが(或いは今年大賞でなかったのが)不満なのか、昨年の他の受賞者に対して批判的な意見を述べていたのは頂けない。もしかしたら本人が意識的にやってるのかも知れないが、思い上がった態度に映ってしまう。
こうしたお目出度い会なんだから、万事サラリとスマートにね。

審査員の講評でも述べていたが、入賞者にいわゆる色物の芸人が目立つ反面、東京の落語家の影が薄い。ここ20年を振り返っても喬太郎から白酒、三三、そして一之輔まで次々と優秀な若手を輩出してきたが、一之輔以後がパッタリ止まってしまった。後継の若手の奮起を望みたい。

志ん五『魚男』
癒し系の噺家。この日は趣味が全て魚に関係したものという男が主人公の新作。ユッタリ、ノンビリ。

うしろシティ『コント』
初見。普段はライブ中心に活動していて、寄席の舞台で受けるかどうか心配していたようだが、受けていた。我々の様な年配者にも分かり易いコントだった。

頼光『活弁”石川五右衛門の法事”』
1930年の松竹蒲田製作の無声映画で、主演は渡辺篤、と言っても、よほどの映画ファンでなけりゃ知らないでしょうが。
五右衛門の子孫が窮地に陥ると釜の中から先祖の五右衛門が出てきて助けるという、スラップスティック・コメディ映画。頼光の活弁は所々に毒が入るのが魅力。

夢丸『権助提灯』
短いネタだが、人物の演じ分けが出来ていた。審査員からマクラが下ネタと言われていたが、決して下品ではなかった。

松之丞『扇の的』
大人気で今や飛ぶ鳥を落とす勢いとはこの人。今年度は金賞、審査員の言によれば次は大賞を狙えるとのことで、専門家の評価も高い様だ。私はこの人の高座を数回観てきたが、若手にしては上手いとは思うが、素晴らしいと感心する高座には出会えていない。だから、なぜこれ程の高い評価を受けているのか、正直良く分からないのだ。
この日も並の出来だった。

白酒『粗忽長屋』
時間に追われて急いだ高座だったが、噺の勘所は押さえていたのは、さすがだ。

雀太『商売根問』
大賞の小猫を別にすれば、この人の高座が最も良かった。短い時間ながらテンポ良くサゲまで演じた。会話の間の取り方も巧みで、大器を予感させる人だ。

吉坊『胴切り』
上方落語の本寸法と言っていいだろう。何を演じても合格点に達する技量の持ち主だ。反面、この噺はこの人という決定打に欠ける憾みがある。そこを打ち破れるかがこれからの鍵だろう。

小猫『ものまね』
色物としては、花形演芸大賞史上3人(組)目の大賞受賞となった。個人では初となる。審査員も全員が満点だったそうだが、物真似の技量だけでなく、トークや構成に至るまで完成度が高い。
私は猫八三代の高座を観ているが、全ての面でこの人が最も優れていると思う。

 

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コメント

>一之輔以後がパッタリ止まってしまった。
これには虚を突かれました。
みな個性があっても、いわゆるスター性(大衆受けする)がない。
白酒「粗忽長屋」。
不条理なドタバタ」はニンに合っていて十八番になりつつありますね。

切符をとり忘れていました。
小猫は知性を感じさせますね。

福様
「行き倒れ=江戸っ子のフラメンコ(粋だオーレ)」のギャクだとか、行き倒れの当人が熊ではなく兄いの方だったという設定といい、白酒の面目躍如です。

佐平次様
若手に限っていえば、ここ最近は上方の落語家と色物の人たちが元気ですが、東京の落語家の存在感が薄い様に思えます。

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