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2019/07/14

青年座「明日-1945年8月8日・長崎」(2019/7/13)

劇団青年座 第237回公演「明日-1945年8月8日・長崎」

日時:2019年7月13日(土)14時
会場:東京芸術劇場・シアターイースト
原作=井上光晴
脚色=小松幹生
演出=鈴木完一郎
演出補=山本龍二
<   キャスト   >
巡査/堂崎彰男=桜木信介
堂崎ハル=津田真澄
銅打弥助=山﨑秀樹
銅打みね子=柳下季里
三浦泰一郎/高谷藤雄(声)=山賀教弘
三浦ツイ/高谷藤雄の母(声)=山本与志恵
石原継夫=逢笠恵祐
福永亜矢=小暮智美
水本広=高松潤
水本満江=田上唯
助産婦/産婆=佐野美幸
山口由信=五十嵐明
山口キヨ/おばさん=遠藤好
三浦ヤエ=角田萌果
中川庄治=前田聖太
ツル子=田邉稚菜
<演奏>
ピアノ=大貫夏奈
ヴァイオリン=菅野千怜
チェロ=石貝梨華

この作品は、1945年8月8日から9日の早朝までの、つまり長崎に原爆が投下される直前までの、長崎市に住む市井の人々の生活を描いたもの。つまり原爆を書かずに原爆の惨禍を描いた作品だ。
原作者の井上光晴によれば、長崎の原爆投下地点周辺を歩いていたら、住宅の物干し台に洗濯物が干されひらひらしているのが目に留まった。それで原爆投下の前の日もこうした光景だったんだろうと、この作品が閃いたとある。
調べてみると、この地域では前日に一組の結婚式が行われ、二人の赤ん坊が誕生していた。原作者は生存者の記録や証言を得て、本作品を書き上げたようだ。

舞台は、結婚式を挙げた二人とその列席者たちの家族の様子が描かれ、それぞれが「明日~~するけんね」といった会話を交わしあっていた。8月1日には長崎市内が空爆され、また米軍が九州に上陸してみな殺しにされるという噂が流れ緊迫した状況もあったが、それでも人々はごく当たり前の日常を送っていた。
8月9日午前4時17分に新たな生命が誕生する。「かあさん、きつかよ」とうめく娘の手を握り、赤ん坊の泣き声が響くと、ほっとした母親が空を見上げながら、こうつぶやく。
「ああ、明けたよ。今日もよか天気になるじゃろう。よか日和たい。ほんなこつ」
このおよそ7時間後に原爆が投下され、7万3千人あまりの人が亡くなるのだ。

演劇を観る機会はそう多くはないが、なかで青年座の舞台を観る比率が高い。
それは、この劇団の上演作品の多くが社会問題に切り込んでおり、かつ楽しい舞台を披露してくれるからだ。
やはり芝居は楽しくなくてはならない。
本作品も登場人物と一緒に笑ったり泣いたりホッとしたりしながら、終ってから怒りがこみあげてくる、そういう舞台だった。

公演は17日まで。

 

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