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2019/07/15

「白酒・三三・萬橘」(2019/7/14)

「三つ巴」昼の部
日時:2019年7月14日(日)13時
会場:よみうり大手町ホール
<   番組  >
三遊亭萬橘『孝行糖』
桃月庵白酒『代脈』
柳家三三『五目講釈』
~仲入り~
三遊亭萬橘『紀州』
柳家三三『転宅』
桃月庵白酒『百川』

「白酒・三三・萬橘」人気の若手による三人会。各2席ずつ演じて昼夜公演で、その昼の部へ。
白酒がマクラで、こんな事を言っていた。落語は個人で演るものなので、仕事を離れて互いに個人的に親しい人というのはいない。師匠の雲助も白酒も、普段は他の噺家とは会わないようにしており、たまたま出会ってもアイコンタクト程度で挨拶もしないと。狭い世界なのに、未だに一度も顔を見た事がない噺家もいるという。楽屋に集まっても、この日に掛けるネタの打ち合わせなんかしないと。
それは噺家だけでなく、落語好きにも言えた。昔の寄席なんて偏屈オヤジの集まりみたいだった。親しい仲間が集まってグループで寄席に来るなんて光景はなかった。落語のファン層は確実に変化してきているようだ。

一人が2席ずつ3時間の会で、しかも昼夜公演っとあって、それぞれ手慣れたネタを掛けていた。従って、適度に楽しむことはできたが、これと言った特記事項もない。それじゃあまり愛想がないので、
三三『五目講釈』について。
道楽が過ぎたあげく、勘当されて親方のところに居候している生薬(きぐすり)屋の若旦那。どこかで働きなさいと意見する親方に、若旦那は講釈師になると言い出すので、親方は長屋の連中を集め、若旦那の芸を披露させることにした。若旦那は「赤穂義士伝」の抜き読みを読み始めると、これがなかなかの腕前。処が、次第に「新選組」だの「平家物語」だのと話が飛んで行ってしまい…。
別題を『居候講釈』、古今亭志ん生は『調合』として演じていた。
他に、船中でサメに囲まれた時、乗客の講釈師が船べりで講談を演じてサメを退散させるというストーリーのものもあり、5代目三遊亭円楽はこれを『五目講釈』として演じていた。古今亭菊志んは同じ噺を『兵庫船』として演じている。
要は、有名な逸話や時に時事問題まで取り入れたハチャメチャな講談をもっともらしく語る所がミソで、講釈の腕前を聴かせるとこが肝要。
三三の講談も上手いもんだ。

余談になるが、先年イエメンを旅行した時に、初めて「鍛冶屋」を見た。『紀州』にあるようにトンテンカンと槌を打っていたが、あれは大変な作業だ。農村では、少年が村の井戸から水を汲み上げ、桶に入れて天秤に担ぎ家まで運んでいるのを見た。『水屋の富』を彷彿とさせた。
古典落語の姿も、ああした国に行かないと味わえない。

 

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寄席・落語」カテゴリの記事

コメント

喜多八が「寄席なんて暗い、ヘンな男が行くところです」と言うようなことを言ってましたね。

投稿: 佐平次 | 2019/07/16 09:04

佐平次様
趣味は落語、なんて言うだけで変人扱いされそうな雰囲気がありました。まあ、変人には違いないですけど。

投稿: home-9 | 2019/07/16 10:17

講談もうまい、それに芝居の声色も身につければ、三三はまさに本格派の雄でしょうね。
『紀州』で小朝が大名行列の通る際の声(人払いかな?)を実に見事にやりましたが、
そういうディティールの充実が芸の円熟に繋がるのだろうと感じます。

投稿: 福 | 2019/07/17 06:35

福様
『紀州』は地噺なのでクスグリの入れ方が勝負ですが、萬橘の高座もそこは良く工夫していました。

投稿: home-9 | 2019/07/17 15:07

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