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2019/09/06

三遊亭わん丈独演会(2019/9/5)

vol.19「わん丈ストリート」
日時:2019年9月5日(木)19:15
会場:日本橋社会教育会館ホール

「海落語」についての公開インタビュー
<  番組  >
三遊亭わん丈『出演者紹介』
前座・三遊亭ごはんつぶ『英語落語』
三遊亭わん丈『三方よし』
三遊亭わん丈『双蝶々(上・中のダイジェスト)』
~仲入り~
三遊亭わん丈『双蝶々(下)』

どの世界にもスターという存在があるが、落語界も例外ではない。2000年代になってから東京の落語界のスターといえば、
00年代 柳家喬太郎
10年代 春風亭一之輔
であるのは衆目の一致する所だろう。
では、来るべき20年代は誰になるだろうか。ポスト一之輔となると、現在二ツ目の若手になろう。
何人かが頭に浮かぶが、その候補の一人が三遊亭わん丈だ。理由は高座を観ていて「キラリと光るもの」を感じるのだ。もちろん彼より上手い若手は沢山いる。しかし上手いだけではスターにはなれないのが芸能の世界だ。
そんな分けで、注目しているわん丈の独演会に出向いた。老若男女を問わず、客の入りは良かった。

開演前に、どこかの団体から海をテーマにした新作落語を演じているというわん丈に公開インタビューがあった。恐らくは海洋汚染の問題に取り組んでいる団体かと思われる。インタビューの模様と、それに因んだ小噺を即席で作り収録していた。本人によれば、立川こしらから依頼されて始めたとのこと。特に子ども向けの高座で演じることが多いと。

わん丈『出演者紹介』では、この日の三味線の長澤あやが高座に上がり、わん丈が太鼓を叩いて出囃子の演奏を披露した。わん丈のの出囃子は「小鍛冶(義太夫)」。
また、この日前座に上がる三遊亭ごはんつぶ(天どんの弟子)が学校寄席で「英語落語」を演じたエピソードを紹介していた。
こうした点にわん丈の心配りを感じる。

ごはんつぶ『英語落語』、ネタは家族3人が交通事故を起こしケガで事情が聞けない。警官が同乗していたサルに聞くと、父親は飲酒、母親はおしゃべり、子どもはゲーム。「それなら一体誰が運転していたんだ」と警官が聞くと、サルは自分を指した。という小噺を英語で演じていた。

わん丈『三方よし』
古典の『三方一両損』をベースに、近江商人の買い手よし売り手よし世間よしという「三方よし」を採り入れ、更に『井戸の茶碗』を加えた様な新作。奉行の奥方が元吉原の花魁という設定で、奥方の方が名裁きをするというもの。
程々に楽しめた。

『双蝶々(上・中のダイジェスト)』
過去2回の『双蝶々(上・中)』のダイジェストを、「中」で長吉に殺された定吉にわん丈が扮して語った。

わん丈『双蝶々(下)』
番頭と小僧二人を殺して奥州に逃げた長吉、今では子分十数人を従えるいっぱしの顔になっていた。
長兵衛・お光夫婦は長吉の悪事を恥じ世間に顔向けが出来ないと、本所馬場町の裏長屋に越したが、長兵衛は腰が立たない病になった。暮らしに窮したお光は、内緒で隅田川縁の多田薬師石置き場で、袖を引く物乞いをし一文二文の銭を稼いでいた。
北風強く冬の日、通りかかった人の袖にすがったのが、奥州石巻から父の様子を探しに出てきた長吉だった。
長吉はお光に連れられ、腰の立たない父を見舞い再会する。長吉が50両の金を渡し元気で暮らすようにと言うと、長兵衛は悪事で得た金は要らぬと突っ返すが、最後は長吉をゆるし今生の別れを告げる。 長吉が追われる身である事を察した長兵衛は羽織を渡し、江戸から無事出られるようにと願った。
雪の降る中、長屋を去った長吉は吾妻橋を渡るところでついに追手に取り囲まれ、捕縛される。
『雪の子別れ』の副題で演じられるこのネタ、わん丈の言うように今年で3年目の二ツ目が高座にかけるような演目ではない。高座も未だ未だ粗さがある。しかし、挑戦する姿勢は評価されるし、これからノシてゆく可能性を十分感じさせる。
数年後には、私の予感が当たりそうな気がするのだが。

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コメント

わん丈の印象は、米朝あるいは子息の小米朝(現米団治)に似通うこと、ジャーナリスティックなセンス(バラエティ番組でも通用するような)がありそうだ、という2点です。
それにしても、「双蝶々」とは・・・その意気やよし、です。

投稿: 福 | 2019/09/07 06:31

福さん
わん丈の良さは、高座に華があることと、観客へのサービス精神です。大師匠の圓生と師匠の円丈のDNAを受け継いだ噺家になることを期待しています。

投稿: home-9 | 2019/09/07 08:56

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