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2019/09/12

「白酒のあんばい」(2019/9/11)

桃月庵白酒の「白酒のあんばい」
日時:2019年9月11日(水)19時
会場:伝承ホール(渋谷)
<  前座  >
前座・桃月庵あられ『子ほめ』
桃月庵白酒『次郎長伝より・石松三十石船』
~仲入り~
福島康之(バンバンバザール)feat.丸山朝光(ハチャトゥリアン楽団)『ジャズとトーク』
桃月庵白酒『不動坊』

安部政権の新しい内閣の顔ぶれが発表された。昨日も書いたが、日本も新任大臣について議会で「人事聴聞会」を開く制度を作った方がいい。全てを審議するのは難しいだろうから、新大臣の専門性、業務遂行能力、人格の3点だけに絞って質疑すればいい。こうすれば公明正大でお互いスッキリ出来ると思うが。

夕方から急な雷雨があった11日、「白酒のあんばい」の会へ。2席がネタ出しされており、いずれも白酒では未見だったので出向いた次第。

白酒の1席目『次郎長伝より・石松三十石船』
ご存知2代目広沢虎造の大当たり演目「清水次郎長」。ラジオ放送の聴取率が30%だったというから、当時の国民の約3分の1の人が聴いていたわけだ。外題付けの「旅行けば 駿河の国に茶の香り」から、「食いねえ食いねえ寿司食いねえ」「江戸っ子だってね 神田の生まれよ」などの啖呵は子どもでも知っていた。
その「石松の金毘羅代参」のサワリの部分を落語にしたものだ。亡くなった喜多八がしばしば高座にかけていたが、白酒では初見。
虎造の浪曲の啖呵をほぼそのまま落語のセリフに移したもので、オリジナルが面白いのだから落語にしても面白い。
ただ、浪曲と落語ではリズムや間が違うし、浪曲の場合は啖呵の合間に曲師の三味線が入る。それをそのまま落語に移すと、オリジナルにあった石松と江戸っ子の位置関係が崩れて、清水一家の暴れん坊で鳴らした石松が単なる愚か者に見えてしまった。
演目を他の芸能に移す難しさを感じた。

福島康之(バンバンバザール)feat.丸山朝光(ハチャトゥリアン楽団)『ジャズとトーク』
福島のギターと丸山のバンジョー演奏と歌唱が、福島のトークを挟んで披露された。曲目は「月光値千金」「この素晴らしい世界」「君微笑めば」などスタンダードナンバー。
ジャズのライブなんて久しぶりだ。やっぱりいいなぁ。バンジョーってあんないい音が出るんだ。二人が醸し出す温かい雰囲気も良かった。
これが聴けただけでもこの日来た甲斐があった。

白酒の2席目『不動坊』
元は上方のネタだが、3代目柳家小さんが東京に移したとされていて、現役では権太楼がこの型を引き継いでいる。これとは別に9代目桂文治が、湯屋で利吉がお滝を思いながら独り言を言って湯船に落ちる所で切るという独自のやりかたで演じている。
白酒の高座は権太楼の型を基本に、湯屋での利吉が独り言ではなく、湯船の客をお滝に見立てて話しかけるという風に変えていた。また、3人と幽霊役の噺家による利吉の家の屋根でのドタバタをより戯画化し、面白さを強調していた。
ただ、いくつか気になった点がある。
利吉は不動坊が残した借金を肩代わりする条件でお滝を嫁にするわけで、大家に金額を聞かなかったのは不自然だ。これでは白紙手形になってしまう。
幽霊役が利吉から香典代わりにと1円受け取るのも不自然だ。ここはオリジナルにあるように係わった人間が4人いるわけだから、幽霊役としては4の倍数の金額で手を打つのが自然だろう。
白酒らしい面白い仕上げにはなっていたが、細部が雑に見えた。

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コメント

白酒の美点は、声のよさ、達意の説明、練られた現代的クスグリ(時に毒をはらむ)などが挙げられます。
起承転結のある噺を語り得る少ない噺家と言えるのではないしょうか。

福さん
現役の中で仮に志ん生を継げるとしたら、白酒が第一候補でしょう。そろそろ協会も考えた方がいいと思いますが。

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