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2019/10/26

「五代目圓楽一門会」(2019/10/25)

「五代目圓楽一門会」初日
日時:2019年10月25日(金)13時
会場:国立演芸場
<  番組  >
前座・三遊亭じゃんけん『初天神』
三遊亭ぽん太『紀州』
三遊亭楽大『牛ほめ』
三遊亭好の助『堀の内』
『吉例~隼町でひと踊り~』三遊亭鳳志、三遊亭楽八、三遊亭兼太郎、 他
三遊亭愛楽『親子酒』
三遊亭栄楽『浮世床』
―仲入り―
三遊亭萬橘『洒落番頭』
丸一仙翁社中『曲芸』
三遊亭圓橘『雁風呂』

10月の国立演芸場は特別企画として「五代目圓楽一門会」を3日間開催している。その初日はあいにくの大雨に加え、会場付近は横殴りの突風で傘をさすこともままならぬ。家族からは「寄席の決死隊だね」とからかわれてしまったが、さすが開演時は20名ほどで、それでも最終的には3桁に届いたか。
圓楽一門は普段は定席に出ないので、一部の人を除いては知らない顔が多いので出向いた次第。

じゃんけん『初天神』
前回は酷かったが今回は良かった。

ぽん太『紀州』
愛嬌のある人、地のしゃべりとクスグリのかみ合わせの「間」にはより工夫が要るかな。

楽大『牛ほめ』
名は体を表すで見た目の存在感は一番だった。

好の助『堀の内』
冒頭の「ちょいとお前さん、起きとくれよ」から始まる色々なネタを紹介し、あらすじを最初に喋ってからネタに入るという珍しい演じ方。テンポが良かった。

『吉例~隼町でひと踊り~』
寄席の踊りの良さは、通常は一人芸だがグループで演じることによる一体感があることだ。『深川』から『かっぽれ』までメドレーで楽しませてくれた。

愛楽『親子酒』
両親で唄を歌いながら父親が酒を飲むという変わった演じ方。声の出ない八代亜紀の真似は上手かった。

栄楽『浮世床』
ベテランらしからぬテンポの悪さ。客席を冷やした。

萬橘『洒落番頭』
別名が『庭蟹』。洒落の得意な番頭と、洒落が分からない主とのかみ合わない会話の面白さで聴かせる。売れてる人は違うね。
こういうのは実生活でもある。私の両親がそうで、ある時母がトイレに入ろうとしたら、中にいた父親が出てきて二人がぶつかった。母はとっさに「小便(正面)衝突!」と洒落たが父には通じず、母の顔をにらんでいた。

丸一仙翁社中『曲芸』
この程度の芸で2度も3度もミスするようじゃ、プロの名が泣く。

圓橘『雁風呂』
寄席にかかる機会が少ないが、とても良く出来た噺だ。
大名や代官の誤った行いを糺すため、東海道を西に向かう水戸黄門の一行と、驕奢な生活が町人の分限をこえたものとして闕所 (けっしょ) ,所払 (ところばらい) に処せられた淀屋辰五郎と共の者が、遠州掛川宿の茶店で偶然に出会う。松に雁が描かれている屏風が黄門の目に止まったが、画の意味が意味が分らない。一方、淀屋と共の者二人が、この画は「雁風呂」だと言うのを聞いて、黄門は淀屋を呼んで「雁風呂」の謂れを尋ねる。教えて貰った黄門はこの町人の知識の高さに感心し、名を訊けば淀屋辰五郎だという。これから江戸に行って、柳沢に貸した3千両の返還を求めるという。黄門は恐らく柳沢は金を返す気がないだろうと察し、その場合は水戸藩が立て替えるという書状を淀屋に渡す。つまり黄門は淀屋に対する幕府の処分は不適切だと判断していたということだ。裏を返せば、黄門の名を借りて、庶民が幕府の裁定に異議を挟んだという仕掛けになっている。
こういうネタは圓橘の様な貫禄のある演者でないと無理だ。
「淀屋は3千両、私の出演料は3千2百円」でサゲた。

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コメント

好の助はマスコミにも乗って着実に売れているようです。
好楽の弟子が出てきましたね。
私が落語ファンになりたての頃、苦手だった(あんなドジな人、いくら何でもいるわけない)『堀之内』の面白さを教えてくれたのは圓蔵でしたが、その場合、圓蔵のニンと噺が合致していたからで・・・「あらすじをしゃべってから」なんて、まるで談志です。


福さん
好の助の話で、落語の冒頭に「お前さん、起きておくれ」パターンが多いのに気づきました。あらすじを最初には、意表を突かれました。
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