「露新軽口噺」(2019/10/11)
「露新軽口噺」
日時:10月 11日 (金)14時
会場:らくごカフェ
< 番組 >
『あいさつ』露の新治・露の新幸
露の新幸『手紙無筆(平の陰)』
露の新治『仔猫』
~仲入り~
露の新治『野ざらし』
露の新幸『狼講釈』
『あいさつ』で「露新軽口噺」は露の新治・露の新幸子弟の研鑽の会として開かれているもので、今回東京で初の開催となる。師匠から、本日は露の新幸の東京デビューで、入門5年目でネタの数も増え腕も上がっているとの紹介。いい師匠を持って幸せだ。
当初は、12日に福島の原発事故避難者へのボランティア公演を予定していたが、台風で中止となったとのこと。
客席は満員の入り。
新幸『手紙無筆(平の陰)』
『手紙無筆』、上方では『平の陰』というタイトルを使っているようだ。
筋は東京のものとほぼ同じだが、手紙を読み兄いが一つ読むごとに、
「早々、ではさようなら、もうおしまい」
「では今度こそ、いよいよ本当にさようなら、グッドバイ、おしまい」
を付け加えるのがアクセントとなっている。
入門5年目というと東京だと二ツ目になって2年目ぐらいに相当するが、二人のセリフのテンポもよく、しっかりと演じていた。
新治『仔猫』
新治が上方らしいネタということで選んだと。
大店におなべという下女がやってくる。器量は悪いが働きもので気が利くので周囲の評判は上々。
処が、店の者が次々とおなべの不審な行動を目撃する。心配になった店の主人と番頭がおなべの留守に持ち物を調べると、中に血まみれの猫の毛皮が。
直ぐに番頭がおなべに店をやめさせようとするが、おなべは身の上話しを始める。父が猟師でその祟りか、ある日看病していた猫の怪我をなめたら、その味が忘れられなくなった。それから猫を取って食べる病になってしまい、村にいられなくなって大阪に出てきたのだという。
それを聞いた番頭は、「おなべは、猫をかぶっていたのか」でサゲ。
滑稽噺から始まって途中で怪談噺風になり、地口のサゲという珍しいネタだ。
おなべの告白の場面では、一瞬寒気が走るような新治の高座だった。
新治『野ざらし』
上方では『骨釣り』のタイトルで演じられている。立川談志から月亭可朝に伝えられたを可朝が上方風にアレンジしたもの。新治は可朝から教わったとのこと。
筋は東京のものとほぼ同じで、後半の骨がお礼に来るのがお婆さん。
新治は楽しそうに演じていたが、出来れば上方の『骨釣り』の方を演じて欲しかったなぁ。
新幸『狼講釈』
師匠の十八番だ。トリは初めての経験とか。
山場の講釈(鉄砲、五目講釈)を淀みなく演じた。
師匠の洒脱な味には遠く及ばないが、これは今後の修行。
12日は別の落語会を予定していたが台風で延期になってしまった。
数十年の一度という大型台風、どうぞ皆様も身の安全にご留意を。
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