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2019/10/11

「人形町らくだ亭」(2019/10/10)

第86回「人形町らくだ亭」
日時:2019年10月10日(木)18時35分
会場:日本橋劇場
<   番組   >
前座・柳家ふくびき『寄合酒』
柳家さん喬『そば清』
古今亭志ん輔『駒長』
五街道雲助『干物箱』
~仲入り~
春風亭一朝の音曲演奏『助六』(長唄・三味線/桂小すみ)
柳家小満ん『らくだ(通し)』

第86回「人形町らくだ亭」は、月刊誌「サライ」創刊30周年記念公演ということでレギュラー5人が勢揃いという特別企画。
仲入り前はお馴染みのネタが、後半は一朝の笛演奏と小満ん『らくだ』という構成。

さん喬『そば清』
さん喬の鉄板ネタで、寄席の浅い出番でも掛けることが多い。蛇含草の効果を、梅干しは金属を溶かすがご飯は溶かさないという例で説明しているのはとても分かり易い。ネタは多くの演者が手掛けているが、さん喬にとどめを刺す。

志ん輔『駒長』
古今亭のお家芸であり、これまた志ん輔の十八番。
博打好きで借金だらけ、おまけに乱暴者の長兵衛。女房をエサにして借金取りにきた上方の損料屋の丈八を美人局で脅して金を巻き上げる算段をするが、女房は優しくて金持ちの丈八にさっさと鞍替え。置手紙を読んで唖然とする長兵衛の表情が良い。
落語には珍しい、現代感覚の女房だ。

雲助『干物箱』
羽織と5円に釣られて若旦那の身代わりになって2階に上がった貸本屋の善公、今ごろ若旦那は花魁といい思いをしているんだろうと想像し一人ではしゃぐ場面と、父親から色々訊きだされ次第に追い詰められてゆく場面が見所。
父親が2階に上がってきて進退窮まった善公が布団を被っていると、その姿を見た父親が「湯に行ったにしちゃ汚い足の裏だな。あれ、いつの間にかケツにひょっとこの入れ墨なんかしてやがって」というセリフが可笑しい。

一朝の音曲演奏『助六』(長唄・三味線/桂小すみ)
桂小すみ、芸協のお囃子から音曲師となり今年前座修行を終了した。達者な三味線といい喉を聞かせてくれた。一朝よりこちらがメインだったかな。

小満ん『らくだ(通し)』
通しと言うこともあってか、前半の屑屋が月番と八百屋に掛け合いに行く所のヤリトリはカットし結果だけを紹介。大家でのカンカンノウはそのまま演じた。
兄貴分が屑屋に無理強いして酒を飲ませる場面では、3杯目の途中から屑屋の口調が変わり、兄貴分と立場が逆転する。屑屋が元は道具屋の主だったと告白してからは、貫禄と洒脱さを見せる所が小満んらしい。
兄貴分に言いつけて近所から剃刀を借りてこさせ、らくだの頭を剃るが途中から面倒になり髪に火をつけて燃やしてしまう。
らくだの遺体を菜漬けの樽に押し込み落合の焼き場に向かう所で、焼き場に払う金が足りないのに気付く。兄貴分が途中の小石川の質屋の弱みを嗅ぎつけていて、それをネタに強請って2両の金を得る所は上方版に近い。
焼き場に着いて樽の中にラクダの死体が無いことに気付き、途中まで引き返し誤って酔って寝込んでいた願人坊主を樽に詰めてしまう。担ぎ出すと中から「痛い!」の声に兄貴分が「うるせえ!」と叱ると、屑屋が「おいおい、死人と喧嘩するなよ」のセリフが可笑しい。
屑屋がらくだへの恨み辛みを言ったり愚痴を言ったりする所はカットしており、後半で通常は影の薄い兄貴分が存在感を見せるなど、小満ん独自の演出が光った。

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コメント

ほい、しまった!見損じました。
人形町らくだ亭を登録しとかないといけませんね。
台風が無事過ぎますように。

さへいじさん
贅沢な会でした。小満んの『らくだ』は味わい深かったです。

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