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2019/11/10

「ハメモノの入る上方落語会」(2019/11/9)

第63回「上方落語会」
日時:2019年11月09日(土)14時
会場:横浜にぎわい座 芸能ホール
<  番組  >
笑福亭智丸『隣の桜』
林家染左『質屋芝居』
桂春若『三十石』
《仲入り》
笑福亭岐代松『天王寺詣り』
月亭八方『堀川』

ブログ休み中に、東京五輪のマラソン会場が東京から札幌の移転することが話題となっていた。たまたま観たワイドショーでは、出演者が口角泡を飛ばして議論していたが、それほどの問題なのか。国民の大半はTV観戦だから会場がどこだろうと関係なかろう。
背景には、都知事の再選を目指す小池百合子のメンツと地元札幌の開催を目論む橋本聖子五輪担当相との、利権をめぐる綱の引き合い。選手ファーストと言いながら要は「政治と金」が中心問題。胴元のIOC自体が金まみれ、オリンピックも一皮むけば裏は汚い世界なのだ。

横浜にぎわい座での定例の「上方落語会」、今回はハメモノの入る上方落語特集だ。

笑福亭智丸『隣の桜』
2013年に笑福亭仁智に入門、詩人から落語家になったという変わり種。
ネタは『鼻ねじ』のタイトルでもお馴染みで、後半の屋敷の庭で花見の宴会が開かれる所で賑やかな囃子が入る。
隣家の学者先生だが、芸者の裸踊りに魅了されて覗き見なんかするから鼻をねじ上げられるんだ。
ちょっと固い感じだったが、一所懸命に演じていた。

林家染左『質屋芝居』
1996年に4代目林家染丸に入門、郷土史料館の学芸員から落語家になったというこちらも変わり種。昔はアホな噺家の高座を利口な客が眺めていたが、今はそれが逆転してしまったようだ。
ある質屋、主人から番頭、丁稚にいたるまで家内中が芝居好き。
そこへ客が来て、急に葬礼の送りに必要になったので質入れしていた葬式の裃(かみしも)を出して欲しいと、質札と現金を持ってきた。
主人の命令で定吉が蔵に行って裃を探していると、隣りの稽古屋から、三味線の音が聞こえる。その音につられて定吉は裃を身につけると、忠臣蔵の三段目“喧嘩場”を一人で演じはじめる。
店にはもう一人客が来て、先日質入れした布団が貸し布団で直ぐに請け出して欲しいと質札と現金を持ってきた。
今度は番頭が蔵に行くと、定吉が目をむいて喧嘩場を演じている。そこで布団を塀の書割に見立て、三段目の内”裏門・塀外の場面”の場を二人で演じ始める。
客がいつまでも品物が戻ってこないと文句を言うと、今度は主人が蔵へ行くと番頭と定吉が大立ち回りの真っ最中。そこで主人は木戸番に扮して呼び込みを始める始末。
二人の客がもう待てないと蔵へ乗り込んでくると、裃も布団も芝居に使われてメチャクチャ。怒って中へ入ろうとすると、木戸番の主人に止められる。
「中へ入んねやったら、札は?」
「札は表で、渡してます。」
でサゲ。
芝居の木戸銭の札と、質札の札を掛けたものだ。
質屋を利用する人も珍しくなったのと、忠臣蔵三段目の裏門・塀外の場はお馴染みがない事から、分かりづらい噺となっている。
染左の高座は芝居の仕草やセリフをたっぷり織り込んで良い出来だった。

桂春若『三十石』
この人のこのネタは今月もう一度聴く予定があるので、その際に内容を紹介する。

笑福亭岐代松『天王寺詣り』
1982年に6代目笑福亭松鶴に入門。
ネタはとりわけストーリーらしきものは無く、彼岸の四天王寺境内のにぎわいをスケッチしたもの。むしろ玩具や竹駒屋、寿司屋(押し寿司と江戸鮨屋)、のぞきからくり、阿保陀羅経読みなどを演じ分けが見せ場だ。
随所に挟むクスグリも腕の見せ所で、岐代松の高座では森友・加計から最近の相次ぐ大臣辞任、文科相の身の丈発言に至る時事ネタを披露していたが、もう一つ捻りが必要だったかな。

月亭八方『堀川』
1968年に月亭可朝に入門、可朝の惣領弟子だから今は月亭一門のトップということになる。その後の活躍はご存知の通り。
珍しいネタで初見。
ここに酒好きな道楽息子。店の身代を飲み尽くし一家は裏長屋住まい。毎晩酔っぱらって帰宅するが、甘い母親は家に入れる。
一方向かいに済む源さんは喧嘩極道で火事好き、今日も家に帰るなり寝ていた母親の枕を蹴飛ばして、晩飯の給仕をさせて肩揉め、腰撫で、足さすれの無理難題。朝は起きなくて日々難渋する母親は、時に心中が起きただの火事だのと言って息子を起こすのだが、嘘がばれると殴られる始末。手を焼いた母親は、たまたま通りかかった猿回しに頼んで、源さんの枕元で猿に踊らせる。あまりのおかしさに起き上がった源さんはすっかりご機嫌になって、これなら毎朝早く起きると言いながら仕事に出かける。
これを見た酒極道の父親が、家の息子も猿に起こして貰おうというと、母親は無理だという。
「猿は虎(大酒のみ)には勝てない」でサゲ。
そう面白くもない噺をこれだけ聴かせたのは、八方の技量によるものだ。

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コメント

たまに、上方落語もいいですよね。
ハメモノが入るなら、なおさら。
実は拙ブログにいただいたコメントを、誤って消してしまったようです。
大変、失礼いたしました。

小言幸兵衛さん
この日は珍しい噺が聴けました。ハメモノでは出演者同士がお囃子に参加しますので、一体感も生まれます。国立中席は初日に行く予定です。

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