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2019/12/14

「人形町らくだ亭」(2019/12/13)

第87回「人形町らくだ亭」
日時:2019年12月13日(金)18時50分
会場:日本橋劇場
<  番組  >
前座・三遊亭ぐんま『初天神』
立川こはる『金明竹』
三遊亭歌奴『掛取り』
柳家さん喬『二番煎じ』
~仲入り~
五街道雲助『夢金』

12月も半ばになってきたが、今年もいい事は何もなく、来年も期待できない。生きていることだけがメッケもの、なのかね。
「人形町らくだ亭」は師走公演で、仲入りを挟んで師走に相応しいネタが並んだ。

こはる『金明竹』
プログラムの演者紹介に「少年のような風貌」なんて書かれていたが、確かに一度会場の階段ですれ違った時に、珍しく着物をきた少年に出会ったと思った。酒場で店員から年齢証明を求められたこともあるそうだ。
久々の高座だったが、一段と上手さが増していた。ただ、ちょいと上がっていたのか、肝心の言いだての時に息継ぎが合わずカンでしまったのが惜しまれる。

歌奴『掛取り』
場内がパッと明るくなるのはこの人の人柄か。フーテンの寅さんの物真似も登場させていたが、芝居好きな番頭の場面では古典を忠実に演じていた。

さん喬『二番煎じ』
この噺、以前から宗助が格下に見られているのが不思議と思っていたが、さん喬の高座では宗助だけが主人の身代わりという、これで納得した。夜回りの場面では、辰つぁんが吉原の火の回りをしていた頃の思い出話しをたっぷりと聞かせていた。
見回り同心が番小屋に入ってきて詰問するたびに、月番「この宗家さんが・・・」に、宗助「あたしの名前をだすのはおよしよ」の繰り返しは、定番ながら欠かせないところ。同心が「何か鍋のようなものを・・・」で、「ちょっと出所が悪いんで向こうを向いてくれませんか」と言いながら、股の下から鍋を出すのは丁寧な演りかた。
近ごろ、番小屋で宴会のように騒ぐ演じ方も見られるが、さん喬のように抑制するのが正解。

雲助『夢金』
雪の中を大川に漕ぎ出す船頭、船中の侍が「どうだ、ここらで一服せぬか」と声を掛ける。「へい、ただいま」と言いながら船頭は、凍えた指先にフーっと息を吹きかけて蓑の紐をほどき、蓑に積もった雪を払い落してから船中に入ってゆく。こういう細部の描写が、凍えるような寒さを実感させてくれる。
侍が船頭に斬り捨てると脅した際に、船頭が「震えてるんじゃねえ、体が小刻みに動いてるんだ」と強がり、「いざとなりゃ船をひっくり返しちまうぞ」と反対に脅すと、侍は「それは困る、みどもは水練の心得がない」と弱音を吐く。ここで両者の立場は逆転する。
この後、侍を中州に置いてきぼりにするのは船頭の計略通り。
最後に全ては夢となる所を、船宿の主人が煙草を吸いながら2階に向かって「静かにしろ」の一言で締めたのも印象的。
雲助ならではの計算され尽くした高座、結構でした。

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コメント

柳家と古今亭の両雄を聞かれたんですね。
こはるは部活のマネージャ〜みたい。師匠譲りで、うるさい談春に仕込まれて活躍しています。
それにしても、女流が増えました。私が若い頃は、かつえ師匠、玉川スミ師匠、なんていう人しかいないのに🐃🐘👓、、

福さん
談春の弟子のうち9人が廃業、残ったのはこはる唯一人で、「猛獣使い」の異名もあります。師匠も一目置いているということでしょう。

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