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2019/12/01

舞踊公演「京舞」(2019/11/30)

Miyako

「京舞」
日時:2019年11月30日(土)11時
会場:国立大劇場
だいぶ以前のことだが、一度京都祇園の「都をどり」を観にいって、その煌びやかさに感心した。
今回、国立劇場で21年ぶりに井上流による「京舞」が上演されると言うので出向いた。
国立のHPによれば、18世紀末頃、初世井上八千代に始まる井上流は座敷舞ならではの高雅で匂い立つような風情と、能や人形浄瑠璃の影響を受けたダイナミックな表現力を併せ持つ。
また、祇園という土地に深く根を下ろしながら磨き上げられてきた豊饒な魅力を通じて、京都の伝統文化の一翼を担っているという。
今回の公演は、五世家元・井上八千代を中心に総勢約60人の祇園の芸妓、舞妓が出演している。

上方唄「京の四季」
上方落語にも登場する京都を代表する唄で、祇園周辺の四季の風情を唄ったもの。今回は大勢の舞妓(全員衣装の色が異なる)によって舞われた。オープニングにふさわしい華やかな舞。
なお、歌詞の中に「そして櫓の差し向かい」とあるが、かつては四条通りを挟んで北座と南座の櫓が差し向かいに立っていた。これを炬燵を挟んで男女が差し向かいの姿と重ねていると。これは桂米朝による解説。

地唄「水鏡」
井上小りん
井上豆涼
一転して芸妓の正装による舞。琵琶湖の水面を鏡に見立て、近江八景を詠み込みながら水鏡のように揺れ動く女性の恋心を詠ったもの。「艶物」ではあるが、琵琶湖の広々とした情景が思い浮かぶように舞うとのこと。
しっとりとした舞。

義太夫「弓流し物語」
井上小萬
屋島の合戦っで、義経が弓を海中に流したとされる逸話に基づく有様を描いている。男踊りで、衣装も義経を思わせる着付け。ダイナミックな動きは歌舞伎の踊りを思わせる。勇壮な中に戦った武者たちへの悲しみも表現されていた。

地唄「正月(まさづき)」
元旦から注連飾りを解くまでの祇園の風景の中に恋人を待つ女心を描いたもの。新年の浮き立つような華やかな舞。

一中節「千歳の春」
井上和枝
春を迎えて終わりなき代を寿ぐ舞だが、四世井上八千代が古希の祝いに踊ったことからしっとりを落ち着いた舞。

義太夫・上方唄「三つ面椀久」
椀久:井上八千代
面売:井上安寿子
江戸時代に実在した大阪の商人・椀久が遊女恋しさのあまり発狂し、大阪の街を狂い歩いたという姿を描いた「椀久物」の一つ。
椀久が、大尽・太夫・太鼓持ちという三つの面を被り替わしながら、それぞれの所作を舞う分けるというコミカルな舞。踊りには詳しくないが、切れがあるのに柔らかいというか、とにかく素晴らしい舞だった。
これが観られただけでも来て良かった。

上方唄「十二月」
「十二月」といっても、落語の「いちがちーは、まちゅかじゃり」じゃありませんよ。
1月から12月までの紋日を詠ったもので、黒紋付の晴れ着の芸妓衆が稲穂の簪を刺して踊る目出度い舞。
これまたフィナーレにふさわしい華やかな中にも落ち着いた姿を見せていた。

いやー、良かった良かった。
華やかにみえる祇園の芸妓、舞妓の世界も、その裏ではこれだけの厳しい修行をしているんだと実感させられた。

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