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2020/01/09

「実名」の公表が、個人のプライバシー権や名誉権を侵害したとされる「条件」

前回、10年前に書いた記事に事件の実名を記したことが、その個人のプライバシー権や名誉権を侵害したとされ、記事の削除に至ったことを報告した。
ブログやSNS等で事件や事故に関するテーマをとり上げた記事を書く際に、実名を書くケースが少なくない。むろん記事そのものが虚偽あるいは不正確だった場合は問題だが、事実であっても実名を書かれた個人から権利侵害という理由から記事の削除が求められたり、プロバイダーの判断で一方的に記事が削除されたり、あるいは最悪の場合は係争に至ることもあり得るだろう。
今回、プロバイダーより送られてきた「送信防止措置」によれば、権利侵害にあたる条件は以下の様だ。

先ず前提として最高裁の判例では次の様にされている。
「前科及び犯罪履歴(以下「前科等」という)は、人の名誉、信用にかかわる事項であり、前科等のある者もこれをみだりに公開されないという法律上の保護に値する利益を有する」

さらに、ある者の前科等にかかわる事実を実名で公表したことが不法行為を構成するか否かの条件として下記の点をあげている。
なお、文中で「本件」としているのは、削除要請のあったブログの当該記事の記述をさす。
①事件後の生活状況について
本件の場合、本人は事件後に懲役8年の実刑判決を受け、当該刑事処分を受け、出所している。受刑後もなんらトラブルを起こさず、公職や役員にも就かず、一介の市民として生活している。
従って、現在において本人の実名を公開し続ける必要性は認められない。
②事件それ自体の歴史的又は社会的な意義
本件に係る事件から9年以上が過ぎ、現在では事件としては風化している。また本件の公訴時効7年を過ぎており、事件の歴史的又は社会的な意義が消失している。
③当事者の重要性
本人は本件事件の重要な当事者ではなく(主犯ではないという意味かと思う)、従って当事者としての重要性は認められず、事件発生後9年以上を経た現在において実名を公開する必要性は認められない。
④社会的活動及び影響力
本人は全く公的立場にあらず、無名の一市民に過ぎない。また、特筆すべき社会的活動や情報発信を何ら行っておらず、社会的影響力は認められない。
⑤著作物の目的、性格等
本件事件に関する記述は別の著作物から引用したものであり、既に刑事処分がなされ、9年以上が経過した過去の事件について、本人の実名を記すべき必要性は認められない。

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