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2020/01/19

「花形演芸会」(2020/1/18)

第488回「花形演芸会」
日時:2020年1月18日(土)18時
会場:国立演芸場
<  番組  >
前座・神田桜子『八百屋お七』
桂伸三『古着買い』
古今亭駒子『ナースコール』
母心『漫才』
三遊亭萬橘『岸柳島』
―仲入り―
爆笑問題『漫才』
桂小すみ『音曲』
古今亭志ん五『子は鎹』

この冬、いちばん寒い日となった18日、会場は満席で熱気に溢れていた。

伸三『古着買い』
『古手買い』のタイトルで知られるネタだが、寄席にかかる機会は少ない。
買い物の下手な男が買い物上手の兄いに頼んで古着を買いに行くという筋で、前半は『壺算』の様な展開だが、後半は兄いが店の番頭に対して胸のすくような啖呵を切り、後から男が兄いの真似をするが、これが間抜け、というのは『大工調べ』に似ている。
伸三は歯切れの良い喋りを活かした啖呵の切れがよく、後から間抜けな啖呵の真似をする男の珍妙なセリフとの対比を見せていた。
未だ芸協の二ツ目の様だが芸は真打と言ってもいい、楽しみな存在だ。

駒子『ナースコール』
駄作(三遊亭白鳥・作)を下手な人が演じると、かくも惨憺たる結果を招くという見本。
取り敢えず師匠は訛りを直させねばなるまい。

母心『漫才』
若手漫才師ではピカイチと言っていいだろう。しゃべくり漫才だが、ボケ役の日本舞踊と歌舞伎の所作を生かした芸で、会話のテンポも「間」もいい。舞踊公演は出演者も金を払う、客も入場料を払う、その両方の金はどこへ行ったんだろうと、う~ん、確かに謎だね。

萬橘『岸柳島』
マクラ半分ネタ半分の高座。電車の中で化粧する女性に、「あれはこの周囲の客には完成形は見せないという決心の現れ」だと。私も宇都宮線で隣に座った女性が約50分かけて基礎から仕上げまで化粧していたのを経験しているが、ビフォア/アフターであまり差が無かったなあ。おっと、これってセクハラ?
ネタはお馴染みだが、船中の町人が後からいちいち「私ね、こうなるって事は予測してましたよ」を繰り返すのがミソ。

爆笑問題『漫才』
普段はメディアで活躍している人がこうした寄席の舞台でナマで演じて客の反応を見るというのは大事なことだ。彼らは毎年1度は花形演芸会に出演しており、その点は評価している。ただ、以前ほどの切れが無くなっている。例えば例の「桜を見る会」のネタにしても、本人たちも参加していた過去があったせいか、鋭さが足りない。
メジャーになると色々な制約が出てくるんだろうな。

小すみ『音曲』
昨年から高座で見るようになったが、ようやく楽しみな音曲の芸人が出てきた。長い間、寄席のお囃子をやっていたから腕は確かだ。この日も三味線から琴、尺八まで披露していた。声帯が強そうなのも長所。さらにトークを磨いて高みを目指して欲しい。

志ん五『子は鎹』
真打披露興行でもこのネタで感心したが、改めて聴いて良さを確認した。先ずこの人は佇まいが良く声が良い。淡々としゃべるタイプだが、聴いていて噺に引き込まれる。
志ん五が演じるこのネタの特長は、別れた女房が本心から熊との復縁を願っているのが表現されていることだ。それは女手一つで子育てをする苦労というのもあるだろうし、熊への哀惜を断ちがたい女心かも知れない。だから亀吉から熊の話を聞いた途端に、この女房が色っぽくなるのだ。うなぎ屋の2階で再会した熊から復縁を切りだされると、女房が「あたしはずっとその言葉を待っていたんですよ」と答える女房の心情にはグッと来るものがある。
トリに相応しい結構な高座だった。

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コメント

動の爆笑、静のナイツと呼んで好んで聴いておりますが、お上に配慮して自主規制が働くのでしょう。志らく曰く、「昔の談志の言ってたことは今じゃコテンパン」

投稿: 福 | 2020/01/20 06:38

福さん
爆笑問題も昔は本人たち自身がもっと面白そうに演じていました。その違いかも知れません。

投稿: home-9 | 2020/01/20 09:40

若い頃、徹夜で職場に泊まり込んだときのこと。
見たことのない女性が出勤してきた、机の前で化粧を始めました。
小一時間もして、いつものちょっと憧れていたお姉さんに変身!時差出勤で出来立ての貌をみせていたのです。

投稿: 佐平次 | 2020/01/20 10:42

佐平次さん
男性の前で化粧するのはやめて欲しいですね。男として無視されている気がします。

投稿: home-9 | 2020/01/31 09:31

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