「春風亭一之輔 独演会」(2020/2/26)
みなと毎月落語会「春風亭一之輔 独演会」
日時:2020年2月26日(水)19時
会場:赤坂区民センター ホール
< 番組 >
前座・春風亭与いち『紙入れ』
春風亭一之輔『のめる(二人癖)』
春風亭一之輔『雛鍔』
~仲入り~
春風亭一之輔『柳田格之進』
国立演芸場の各主催公演が次の様に中止となった。
3月上席公演 3月1日(日)~3月10日(火)
3月花形演芸会 3月7日(土)
3月中席公演 3月11日(水)~3月15日(日)
さすが国立、政府の方針に敏速に反応したね。
今のとこ他の定席には動きはない様だが、落語会の中には中止を決めている所も出ている。季節は春を迎えるが芸能人にとっては冬の時期に入ることになる。
この会も完売だった様だがいくつか空席があったのは新型コロナウイルスの影響か。
「春風亭一之輔 独演会」、先ず評価したいのは前座を除けば演者は一之輔一人だけ、これが本来の独演会の姿だ。3席演じてくれたのも嬉しい。
ただ、みなと毎月落語会はこの会場のキャパでありながら囃子はテープだし、プログラムも無し。「立川企画」はしみったれだね。
一之輔『のめる(二人癖)』
何とか相手の口癖「つまらない」を言わせようと隠居が最初に知恵を授けたのとが、大根100本をぬか漬けするのに醤油樽に詰まるか?だった。これが失敗すると隠居が次に詰め将棋のアイディアを出してくるが、「こっちを先に言ってくれよ」とツッコム所が一之輔らしい。
処で、「都詰め」って皆さんご存知なんだろうか。将棋をした事があれば知っているだろうが、将棋盤の中心で王を詰めるという難題だ。角と金銀に歩が3枚では到底「つまらない」。
将棋の駆け引きから最後のサゲまで一気呵成の高座だった。
一之輔『雛鍔』
子どもを上手く演じる人は例外なく噺も上手い。志ん朝が典型だった。
一之輔も子どもを描くのが巧みで、このネタでも子どもの貴賤の演じ分けが良く出来ていた。
一之輔『柳田格之進』
一之輔が1席目のマクラで、今日ここに来られなかった方にも届くように演じると言って、ちょっと照れ笑いをかべていたが、そうした気迫が場内に伝わるような高座だった。
このネタの勘所は、柳田格之進と万屋源兵衛の品格が出せるかどうかだ。同じ品格と言っても片方は武士であり、片方は商人だから自ずから人物像は違っていなくてはならない。
番頭の徳兵衛に50両を盗んだとの疑いを掛けられた時の格之進の屈辱や無念さをグッと呑み込む姿が良かった。翌日、格之進が娘に手紙を渡し縁者に届けるように言う時に、平然を装いながら覚悟を決めていた格之進の表情もいい。だから娘が「お腹を召すおつもりでしょう」と見抜くのだ。
50両が出てきて疑いが晴れた格之進が店に乗り込む際の、儀礼は尽くしながら主人と番頭を手討ちにするという揺るぎない決心も表現されていた。しかし、主人と番頭が互いに相手をかばい合う姿を見て将棋盤を切り裂く格之進。
一之輔の高座では、娘は既に格之進が身請けし、婚礼を控えて静かに過ごしているという設定にしていた。その婚礼の費用を万屋源兵衛が出すことに決まり、「また格之進様とは碁会所で一番お相手致しましょう」で終演したのも後味が良い。
堂々たる一之輔の高座、結構でした。
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とっくに詰んでいるのに、僕負けてないもん、とダダをこねているのがアベですね、まったくつまらん!
投稿: 佐平次 | 2020/02/27 10:45
佐平次さん
安倍の最大の罪は、自己の利益や保身のために法制度を破壊していることです。将棋でいえば負けそうになるとルールを変えるのと同じです。
投稿: home-9 | 2020/02/27 11:45