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2020/03/06

落語『紙入れ』と、話題のあの人のこと

たまには下世話なネタを。
落語に『紙入れ』という演目がある。落語ファンならお馴染みのネタだ。
小間物屋(貸本屋という設定もある)の新吉、得意先の商家の新造から今夜は旦那が帰らないから遊びに来てくれと手紙をもらう。旦那には気が咎めるが新造には逆らえず店に出かける。
待っていた新造は新吉に酒を勧め、今日は泊っていけと言い寄る。誘惑に負けた新吉が隣の間に敷いてある布団に入ると、後から長襦袢1枚になった新造も布団に。
そこに表の戸を叩く音、帰らぬはずの旦那が帰って来たのだ。驚きうろたえる新吉を尻目に、新造は落ち着いて新吉を裏口から逃がす。
無事に逃げ出した新吉だが、紙入れを忘れたことに気付く。紙入れは以前に旦那から貰ったものだし、中には新造から貰った手紙も入っていた。
心配でまんじりともしなかった新吉が、翌朝いても立ってもいられず旦那の店に行く。新吉が浮かぬ顔をしているのを見て旦那があれこれ聞き出すと悩みは女のことだと言う。旦那は何をしてもいいが、主ある花だけはよせと説教するが、新吉はその相手というのが世話になってる店の女房だと言い、昨晩の出来事を恐る恐る他人事として語りだす。心配なのは忘れてきた紙入れが旦那に見つからなかったかと。
そこへ現れたのが当の新造。
「それは大丈夫と思うわ。だって旦那の留守に若い人を引っ張り込んで楽しもうとするくらいの女だから、そこに抜かりないと思うよ。新さんを逃がした後に回りを見て、紙入れがあればきっと旦那に分からないようにしまってありますよ。ねえ、あなた」
ご機嫌な旦那。
「そうとも。よしんば見つかったところで、自分の女房を取られるような野郎だよ。まさかそこまでは気がつかねえだろう」

「町内で知らぬは亭主ばかりなり」で、寝取られたのも知らず呑気な旦那だ。
でも待てよ、もしかしたらこの旦那は全てを知っていながらトボケテいるとしたら、この結末の解釈は全く変わってくる。
実は上方落語の中にはこの続きがあり、
新造「その間抜けな旦那の顔を見たいものですね」
すると旦那が顔を突き出して「おおかた、こんな顔だろう」
ね~、こっちの方がずっと怖いでしょ。

そこで今、思い出したのが話題のアノ人。
コトの経緯が『紙入れ』を連想させるし、
「私は妻のことを信じております。このことで夫婦の絆が壊れることもございません。離婚することも1億%ございません。この程度のことで絆が切れるということはない。あとは、私のかけがえのない妻を世間の目から守る。命がけで守る。それだけでございます」
というコメント、『紙入れ』の旦那もそんな心境だったのかな。

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コメント

男の諦観、でしょうか。

投稿: 佐平次 | 2020/03/10 08:44

佐平次さん
ワイドショーの司会を務めているので立場上ああ言うしかなかったのでしょう。

投稿: home-9 | 2020/03/10 11:10

いや、紙入れの旦那のことです^^。

投稿: 佐平次 | 2020/03/11 10:07

佐平次さん
それは失礼しました。亭主があまりに寛大だと、愛情が薄いと不満を抱く女房もいるようですから難しいです。

投稿: home-9 | 2020/03/11 11:38

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