一番のワルは大阪地検特捜部だ
学校法人「森友学園」の国有地売却問題を担当していた財務省近畿財務局職員の赤木俊夫さんが、佐川宣寿の指示で決裁文書の改ざんを強要され自殺に追い込まれたとして、赤木さんの妻が佐川氏と国に約1億1千万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴した。
訴状などによると、当時財務省理財局長だった佐川氏は、安倍晋三首相が国会で国有地売却問題について「私や妻が関わっていれば、総理大臣も国会議員も辞める」と答弁した後の2017年2~4月にかけて、「野党に資料を示した際、森友学園を厚遇したと取られる疑いがある箇所は全て修正するように」などと財務省幹部に指示。幹部は近畿財務局に改ざんを命じた。
近畿財務局の上席国有財産管理官だった赤木さんは同局の上司から呼び出されたのを皮切りに、数回にわたって決裁文書から安倍昭恵首相夫人や政治家らの関与を示す部分を削除する作業を強制された。
赤木さんは「こんな事をする必要はない」などと強く反発したり涙を流したりして抗議したが、本省や上司の指示のためやむを得ず従った。
この間、連続出勤や深夜勤務などの長時間労働が重なり、うつ病を発症して休職。更に大阪地検から電話で事情聴取を受け「改ざんは本省のせいなのに、最終的には自分のせいにされる」と心理的負荷が強まり、2018年3月7日に自殺した。
手書きの遺書には「これが財務官僚王国 最後は下部がしっぽを切られる なんて世の中だ」などと書かれていた。
妻は提訴の理由について「死を選ぶ原因となった改ざんは誰が何のためにやったのか。土地の売り払いはどう行われたのか、真実を知りたい」と代理人を通じてコメントした。
問題となった「森友学園問題」についておさらいしてみよう。
学校法人「森友学園」が取得し、小学校新設を計画していた大阪府豊中市の国有地が8億円余り値引きされたことが2017年2月に発覚。名誉校長には安倍昭恵首相夫人が一時就任していた。佐川宣寿は国会答弁で森友側との事前価格交渉を否定したが、交渉をうかがわせる内部文書などが明らかになり財務省が決裁文書を改ざんしていたことも判明した。大阪地検特捜部は補助金の詐欺罪などで学園前理事長の籠池泰典被告と妻を起訴。両被告は大阪地裁で有罪判決を受け控訴した。
佐川宣寿らに対する刑事告発について、2018年5月に大阪地方検察庁特別捜査部は佐川宣寿らを不起訴とした。これに対し、大阪第1検察審査会が2019年3月15日「不起訴不当」と議決したが、2019年8月9日に大阪地方検察庁特別捜査部は不起訴とした。
(以上は「中日新聞」の記事を参考にした)
問題は、文書改ざんを誰が指示したのか。佐川局長が独自の判断で勝手に行ったものか、それとももっと上から佐川に指示して行ったものなのかが問題だ。
財務省内部の調査では到底出てこないわけで、本来は司直の手で解明すべきだった。
そこにフタをした大阪地検特捜部が、本事件の一番のワルである。
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