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2020/03/10

新型コロナウイルスを「正しく恐れる」理由

新型コロナウイルス感染問題は常にトップニュースとして扱われ、ワイドショーなどでは朝から晩までこの話題にで持ち切りだ。
未知のウイルスであることに対する恐怖心に加え、政府の後手後手というよりは悪手悪手の連発で日本社会に混乱が拡がっている。
しかし、このウイルスの感染については既に各国政府や研究機関から公表がなされており、徒に恐怖を煽ったりオーバーリアクションにならぬよう注意することも必要だ。
今年1月に国内でも新型コロナウイルスの感染が大きな話題になっていた頃に、ある病院で5人の患者が院内感染による肺炎で亡くなった事が報じられていたが、新聞では小さなベタ記事の扱いだった。
人の命に軽重はない筈だが、その扱いの差には釈然としない気持ちが残った。
今では更に新型ウイルスの感染は大きな問題となっているが、冷静に見れば従来の季節性インフルエンザに罹るリスクの方が遥かに大きいのだ。治療法があるとはいえ、後述の様に毎年多くの人々がインフルエンザで命を落としている。

先ず、日本国内での過去の季節性インフルエンザの感染者数と死者の数の推移を見てみよう。
これについては厚労省のHPで次の様に示されている。
【質問】
通常の季節性インフルエンザでは、感染者数と死亡者数はどのくらいですか。
【回答】
例年のインフルエンザの感染者数は、国内で推定約1000万人いると言われています。
国内の2000年以降の死因別死亡者数では、年間でインフルエンザによる死亡数は214(2001年)~1818(2005年)人です。
また、直接的及び間接的にインフルエンザの流行によって生じた死亡を推計する超過死亡概念というものがあり、この推計によりインフルエンザによる年間死亡者数は、世界で約25~50万人、日本で約1万人と推計されています。

ザックリといえば、日本国内では毎年
季節性インフルエンザの年間感染者数:およそ1000万人
同上 死亡者数:およそ1000人
同上 超過死亡者数(インフルエンザが原因で肺炎などで死亡):およそ1万人
というのが現状である。

下記に1950年から2010年までのインフルエンザによる死者数のグラフを示す(クリックで拡大)。
Deathbyflu
ここで2005年(SARSは2003年)のデータではこうなっている。
年間死亡者数:1818人
年間超過死亡者数:15100人
過去のデータから「感染者数=死亡者数X10000」とすれば、推定感染者数は1800万人となる。
この被害はパンデミックと言っても良い規模だが、全国一斉休校もなければテレワークも無く、イベントやスポーツの自粛要請は無かったと記憶している。人々は日常的な生活を送っていたことになる。
つまり過去には、この程度の被害は大きな問題とはされなかったという事だ。

次に、いま流行の新型コロナウイルスの現状を見てみよう。
3月9日現在の世界の感染者と死者は次の通り。
全世界 感染者108808人 死者3868人(致死率3.6%)
日本国内 感染者1216人 死者17人(致死率0.1%)
中国のみ 感染者80735人 死者3119人(致死率3.8%)
中国を除く 感染者28073人 死者749人(致死率0.3%)

WHOでは新型コロナウイルスの致死率を3.4%としているようだが、これは中国を含んでおり、中国を除けば今の所0.3%程度となっている。
また、少し以前の中国国内のデータでは次の様になっている。
中国全土 感染者20818人 死者563人(致死率2.7%)
湖北省を除く 感染者19665人 死者549(致死率0.3%)
中国国内でも湖北省を除けば致死率はおよそ0.3%となっており、前記の中国を除く全世界の数字と一致している。

話は変わるが、現在アメリカではインフルエンザが大流行していて、2019/10/1~2020/2/1の間で、感染者が約2200~3100万人、死者数が約1万2000~3万人となった報告されている。死者数からみて単なる季節性インフルエンザではなく、コロナウイルスの疑いも持たれているようだが、今のところ米国政府はこのインフルエンザに対しては特別な措置は取っていないようだ。

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