「新型コロナ」と「季節性インフルエンザ」との報道格差
4月6日付け東京新聞に吉田俊実(東京工科大教授)が、日本では毎年約1千万人の人が季節性インフルエンザに感染し、関連死者数が約1万人に達しているにも拘わらず、何の宣言も出されていなかったという意見を述べている。
この数字は、いま大きな問題となっているCOVID-19の被害に比べても遥かに大きい。
では、なぜ季節性インフルエンザによる被害は大きな問題にならなかったのか?
この件は、当ブログでも何度かとりあげているが、その理由を考えてみたい。
理由は、季節性インフルエンザによる被害は「仕方ないこと」として黙認されてきたからだろう。
理不尽なようだが、他に理由が思いつかない。
だから、政府や地方自治体が日々感染者数を発表することもなく、マスメディアが報道することもなかった。
仮に報道しても人々は大して関心を示さなかっただろう。
こうして報道格差が生じてしまったのだ。
国民の無関心に乗じて、政府は感染研究の費用を減らし、入院ベッド数を減らす政策をとり続けてきた。
この事が、今のCOVID-19の感染による医療崩壊の要因の一つとなっている。
今後、また新たなウイルスの感染問題が生じる可能性は高い。
それに対応する体制を築くためにも、季節性インフルエンザなどの感染や被害に対する対策や医療体制にもっと関心を持つべきだ。
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