赤旗スクープに見る大手メディアの退廃
しんぶん赤旗が「桜を見る会の不正」に続いて「日本学術会議の任命拒否」についてスクープし、いずれもその後に各メディアがとりあげ大きな問題になった。
赤旗の取材力は評価されるが、その一方大手メディアはなぜ問題を見過ごしていたのかという疑問が残る。多数のスタッフを抱え、日ごろから記者クラブなどを通して政府の情報を入手するのに遥かに優位な大手メディアが。
例えば「桜を見る会」にはメディア各社が毎年取材に行っていた。芸能人に囲まれて笑顔を浮かべる総理の写真と映像は、TVや新聞でお馴染みだった。
取材していれば、安倍首相になってから年を追うごとに参加者がふくれあがり、それも安倍周辺や後援会関係者の数だけが増えていたのは分かったはずだ。
しかし大手メディアの記者たちは誰も疑問に思わなかったのだ。ただただ定番の「絵」を撮ることと、お追従(ついしょう)の紹介記事を書いていたとしか思えない。
現場を「見る」が、「観察」も「思考」もしていなかったということだ。
このメディアの「鈍感力」のお蔭で、政府が「桜」関連の公文書を破棄したり改竄したりする機会を与えてしまった。
今回の学術会議会員の任命漏れについても同様の状況にあったと推察される。重要性に気付かなかったと。
その一方で政府は、報道番組はもとよりTVのワイドショーでさえ日々チェックし、誰がどんな発言をしていたかを文字起こしまでして詳細に記録している(これも赤旗スクープ)。
大手メディア各社は自らの退廃を恥じねばなるまい。
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