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2020/10/22

ビデオ『スプリング、ハズ、カム』

Spring

『スプリング、ハズ、カム』(2017年公開)
監督:吉野竜平
出演:柳家喬太郎、石井杏奈、朴璐美, 柳川慶子, 角田晃広

ブログ休止中にビデオやDVDでせっせと映画をみた。映画館で映画をみるのはここんとこ数年に一度だったので新鮮だった。ここで紹介する『スプリング、ハズ、カム』もその中の1本。柳家喬太郎が映画初主演の作品なので、落語ファンには興味を持たれるかと思う。
広島でタクシードライバーをしている肇(柳家喬太郎)は、娘(石井杏奈)を出産した翌日に妻が死亡したため、男手ひとつで娘を育てた。その娘が春から東京の大学に通うことになり、二人で不慣れな東京で部屋探しをする。映画はその一日を描いたものだ。
大学に近い祖師谷大蔵付近のアパートに決めたが、二人は周囲の環境をみておこうと駅周辺をみてまわる。
肇の義理の妹、アパートを案内する不動産屋、アパートの親切な大家や、たまたま通りかかった映画のロケにエキストラとして出たり、道案内した縁でインド料理屋の結婚式に飛び入りしたりと、二人は様々な人々と出会う。
そうした事を通して父は娘に母親の事を語りながら、亡き妻の思い出、そして娘への思いが去来し、璃子はぶっきらぼうながら人情味あふれる父の愛を知る。

父娘二人の思いは、映画終盤で娘が「恥ずかしいからやめて」と言いつつ父におんぶされ、背中を叩く娘のシーンに集約されている。
父子家庭での父親と娘の別れは小津監督の作品をはじめ多くの作品でとりあげられているが、本映画では父親役を喬太郎が演じているのであまり湿っぽくならない。そこを監督は狙ったかも知れない。
喬太郎は素朴な父を好演していたが、映画のエキストラで談笑するシーンや、インド料理店で踊るシーンは本領を発揮。
随所に喬太郎のクセである唇を突き出す表情が出るのがご愛敬だった。
脇役もそれぞれいい味を出しており、小品ながら温かなヒューマンドラマに仕上がっていた。

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コメント

タイトルは「反対俥」のクスグリでしょうか?
「イスは発条が出てて座ると痛い、スプリング・ハズ・カム!」
「このやろう、三平クラスのギャグ言いやがって」
圓蔵がよく演っていましたね。

アパートは現代の長屋、悲喜の交わるところ。喬太郎の新作の舞台にもあります。
インド料理屋なんていうのも、新作ではよく出る題材です。
混沌としてエネルギッシュな感じがいいんでしょうね。

福さん
そうでしたね、円蔵のギャグでした。脚本が喬太郎の「あて書き」だったかもしれませんが、ハマリ役でした。

どうですか、寄席や劇場に行きたくありませんか。
私はつきものが落ちたようでそれほど行きたくないのです。
たまに能楽堂には行きたくなりますが。

佐平次さん
やはりコロナの感染が頭にあり、外出そのものを控えてきました。様子をみながら落語会には行こうと思っています。

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