「米国大統領選」狂騒曲
11月3日に行われるアメリカ大統領選挙に向けて、日本の各メディアの報道が過熱している。NHKニュースを始めとして各局のワイドショーでは連日この話題をとりあげ、専門家と称する人が微に入り細を穿つ解説までしている。私が購読している新聞でもこの記事が載らない日はない。
かの国の大統領選挙に関心を持つことは悪いことではないが、いささか度が過ぎている。私たちがいくら騒いでも選挙結果にはなんら影響を与えない。第一、選挙権がないのだからただ外野から見物するしかない。
日本の総選挙でさえこれほどの報道はされてこなかっただろう。
トランプを批判する声が多いことをもって偏向報道だという人間がいるようだ。これもおかしな話で、日本のマスメディアがどう報じようと選挙に何も影響しないのだから、偏向という指摘は的はずれだ。
それをいうなら、他の海外に対する報道では偏向がないだろうか。日本のメディアは中国や韓国、北朝鮮の報道では中立を保っているだろうか。
今回の米国大統領選挙に大きな関心が寄せられているのは、トランプという人間の強烈な個性のせいだろう。彼のハチャメチャな言動はツッコミどころ満載で、彼のヒール的な役わりを楽しんでいるというのが実情ではなかろうか。いわば芸能ニュースの範疇と見做しているからお気軽に報道し視聴者を楽しませている、そんな気がする。
トランプのような人物がなぜ大統領に選ばれたのか、なぜ今回の選挙でも一定の層からは熱烈な支持を得ているのか、それは私たちには分からない。
安倍政権がなぜあれほど長続きしたのか、発足したばかりの管首相の支持率がなぜあれほど高いのかさえ分からないのだから。
欠陥だらけのトランプだが、ただ一つ良いと思うのはどうやら彼は戦争が好きでないらしい。この4年間、アメリカは新たな戦争を起こさなかった。戦争なんて兵器産業を儲けさせるだけだと語っていたが、そこだけは評価して良い。
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前にも増して切れ味が鋭いですね。どうか、お身体を大切に今後とも森羅万象にまっとうなご意見を披露ねがいます。楽しみにしています。
投稿: こさんんじん | 2020/10/26 20:56
こさんんじんさん
どうも生来のヘソ曲がりなので、こんな角度から米国大統領選挙の報道姿勢を論評してみました。
投稿: home-9 | 2020/10/27 08:08
エンタメとしての選挙報道ですね。
菅の真実から目をそらさせる機能も果たしています。
投稿: 佐平次 | 2020/10/27 10:07
佐平次さん
トランプという役者を絵にしたエンタメ報道としか思えません。
投稿: home-9 | 2020/10/27 10:41