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2020/10/28

「一之輔三昼夜」其の三昼(2020/10/27)

通院や近所の買い物を別にすればおよそ8か月ぶりの外出、ソロリと始動してみようかと。
コロナ対策で入場前に検温と消毒、さらには名前と連絡先の記入が求められた。

「一之輔三昼夜」其の三昼
日時:2020年10月27日(火)13時
会場:よみうり大手町ホール
<   番組   >
前座・春風亭いっ休『たらちね』
春風亭一之輔『雛鍔』
春風亭一之輔『浜野矩随』
~仲入り~
『鼎談』長井好弘、春風亭一朝、春風亭一之輔
春風亭一朝『大工調べ(通し)』

ゲストに師匠・一朝を迎えての「一之輔三昼夜」は「親子会」の趣向。この日初めて知ったが「親子会」というのは師匠と弟子が真打であることが条件だそうで、一朝の師匠・先代柳朝は一朝の昇進前に倒れてしまったので、親子会は実現しなかったとのこと。

いっ休『たらちね』
上手い前座だ。

一之輔『雛鍔』
息子が落語に関心がなく、落語家になる気もないというマクラをふって。
一之輔が描く子どもはみな小生意気で世知にたけている。それでいて子どもらしい可愛らしさがある。このネタでも植木屋の息子がそうした按配で描かれている所が一之輔の巧みさだ。

一之輔『浜野矩随』
先代圓楽が得意として、時には涙を浮かべて演じていたのを思い出す。一之輔は浜野矩随の彫った失敗作(後には初期の問題作と称していた)「河童狸」を随所にネタにしてこの演目の湿っぽさを薄めていた。サゲもつけてより落語らしく演じていたのも一之輔らしい。その分、母親の矩随に対する情と覚悟が薄まってしまったのは致し方ない所か。

『鼎談』では、一朝の例の「いっちょうけんめい」が二ツ目時代から始めていて、最初はたまたま口にしたら受けたのがきっかけとのこと。
師匠の柳朝と談志が仲が悪かったので、一朝も談志と顔を合わせる度に罵倒されていたが次第に好意的になり、真打披露の際は倒れた柳朝に代って談志が披露口上を述べてくれたそうだ。
師匠の教えとして、若い時に沢山持ちネタを増やせと指導され、それを自分の弟子にも指導していると語っていた。

一朝『大工調べ(通し)』
このネタの演じ方には二通りあって、一朝では棟梁が与太郎宅に来たのは、しばらく仕事に出て来ないので心配してというのが理由だ。家賃の滞納が1両と八百のところを棟梁の持ちあわせが1両しかないのと、残りの八百は与太郎の稼ぎで補填させようというのが棟梁の了見だ。
先代小さんでは、しばらく仕事が途切れていたが明日から番町の屋敷の仕事が始まることになった。就いては、道具箱を今日中に屋敷に届けねばならず、屋敷の門限があるので急いでいるというのが、棟梁の来訪の理由としている。たまった家賃の1両2分と八百のところを棟梁の持ちあわせが1両2分しかなく、八百を取りに行ってると門限に間にあわぬという。
比較すると、後者の方が道具箱を大家から取り戻すのに緊急性があり、取り敢えず八百を後回しにせざるを得ない事情が明確だ。
前者では、棟梁の了見や意地を別にすれば、八百を揃えてから大家と掛け合った方が話が早かったのではとも思えてしまう。
一朝の高座は、因業な大家と棟梁の胸のすくような啖呵を対比させ、演じられることの少ない後半の奉行の裁きまで、テンポ良く演じていた。

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コメント

ご贔屓一之輔、楽しかったと推察します。
談志ほど評判の悪いヒトは滅多にいませんが、
一度蟠りを解くと、他者に尽くす一面もあったようです。
追記
「大工調べ」は筋立て、気風ともに江戸落語の華です。
新作派なら「第九調べ」で歳末の噺にするでしょう。

さっそく、みっちりとお書きになりましたね。
明るく笑いの多い落語会でなおのこと楽しかったことでしょう。

福さん
談志の口上は客席を泣かせたそうですが、残念ながら録音が残っていないようです。「第九調べ」、白鳥あたりが作りそうですね。

佐平次さん
この間CDや録音では聴いてきましたが、やはり落語はナマがいいですね。

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