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2020/10/20

退院あれこれ

入院患者にとって一番嬉しいのは退院の時だ。私も医師から退院の日時を告げられた時は万歳したい気持ちだった。迎えに来た家族と一緒にタクシーに乗り自宅に戻った時はホッとした。お祝いにきた孫娘が土産に持ってきてくれた果物を食べ、嬉しくて涙が出た。病院食についていたフルーツはいつも缶詰だったので、この美味しさは一入だった。
おそらく、多くの方の退院のイメージというのはこういうものだろうと思う。
しかし、私が入院していた内科病棟の様子では、こうした形で退院できる人はむしろ少数のようだ。

周囲を見ていると、退院先が老人ホームなど施設という方が多かったようだが、退院先が決まらずいる方もいた。
福祉関係の職員が相談に乗っている姿も見たが、ホームへの入居費用や月額費用にどの程度負担できるかという問題があり、家族の協力なしには決められない。
同室だったAさんは80代で入院は半年近く、寝たきりだが身の回りのことはできる程度に回復していた。医師から、「昨日、お兄さんが病院に見えてホームも決まり、ベッド付きの車の手配もすんだと言われたので」と、退院の日時が告げられた。
側聞していた私は少し疑問を感じた。この人の兄というと相当な高齢だろう。そういう人がこうした手配をつつがなくできるだろうかと。
そして当日、果たして兄さんも車も来なかったので、Aさんは入院を継続することになった。表情は窺えなかったが、相当落胆していたことは想像に難くない。
Bさんは私同様で70代後半、人から支えられが歩行ができる程度に回復していた。医師から退院を告げられて、看護師に当日娘が迎えに来てくれるかどうか心配していた。「そりゃ娘さん、迎えにくるわよ」と言われていたが、退院の前日に看護師が「さっき娘さんが来て、自宅の鍵を渡してくれって頼まれた」といってBさんに鍵を渡した。つまり迎えには来られないということだ。
以前なら家族が病室にきて不要な物を持って帰ることができたが、今はそれが難しい。長期入院の患者にとって荷物は増える一方だから、一人で退院するのは容易ではない。
この様に家族と直接面談できないということが、退院を迎える患者にとって大きな負担となっている。

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医療・福祉」カテゴリの記事

コメント

ブログを再開されているのに今気づきました。
毎日覗きに来ていて、ふっと休んだそのすきに^^。
なにはともあれ、これだけの文章を書けるだけに回復されてよかったです。
浮世はいぜんとしてコロナ&スガ禍、どうぞご自愛ください。

佐平次さん
もっと早く回復するだろうとタカを括っていたんですが、結局3ヶ月かかってしまいました。

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