病院の面会制限
今年、新型コロナウイルスの流行とともに、入院中の患者と外部の面会人とが接触することが原則禁止されている。
私の入院期間はそれに該当するので、家族といえども患者との面会はできない。
下着や洗濯物の交換は、家族ー看護師ー患者の間を通して行われる。
家族が持参した品物は看護師が中身をチェックし、飲食物で医師の許可の無いものは受け容れない。
私の場合はOKなのは、飲み物では水とお茶だけで、それ以外のソフトドリンクは持ってきても返されてしまう。
家族が「あなたの好物、持ってきたわよ」なんてことは認められないのだ。
こうしたルールにより、患者は入院中は家族の顔を見られない。内科の慢性疾患だと半年を超えるケースもあるので深刻だ。
家族にしてみれば患者の病状は主治医か又は担当看護師から様子を訊くしかなく、やはり患者の顔を見ないと安心できないし、また面会に行っても会えないとなると自然に足が遠のくことにもなる。
双方、いずれにしろストレスを抱えることになる。
家族の面会にはお互い顔を見て安心できるという精神面だけでなく、患者にとっては周囲のこまごまとしてことを頼めるという利点がある。
特に動けない状態にある時は、ちょっと手を貸して貰うだけでも助かることが多い。
看護師からは何でも頼んでくださいと言われているが、彼女ら、彼らの勤務状況を見ていると、そう頻繁にナースコールボタンを押すのは憚れるのだ。
家族と面談できないことから痴呆症が進んでしまうため、一部面会を認める施設が出ているようだ。
この問題は完全を確保しながら、柔軟に対応する必要があろう。
私は病室から一度だけ電話をしたことがある。それは個室にいる時で、自分でも最悪の事態を予感したからだ。
長女に電話して、万が一の際の様々な処理について指示した。いうなれば遺言代わりの伝言で、内容は他の家族にも伝えるよう頼んだ。
幸い、実行に移さずに済んだのは何よりだった。
同じ時期には主治医の特別の計らいで、妻と子どもたちとが開いた病室の外から私の顔を見て声をかけることが許された。
それだけ危険な状態だったということだろう。
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