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2020/11/03

中国「千人計画」への日本人研究者の参加

中国政府が進めている「千人計画」に日本人の研究者が参加していることが問題になっている。なかにはこの問題と「日本学術会議」の在り方とからめて議論する向きもあるが、全くの見当違いだ。
かつて知り合いになったある国立大学大学院の理工系教員に年間の研究費をきいたところ、あまりに少ないので金額が一桁違うのではと思った。「それじゃ何もできませんね」と言ったら、「そう、必要な実験装置が買えないんです」と。
測定機器は日進月歩、新たな研究をしようすれば最新鋭の機器がいるが、到底手が届かない。
そこで企業からの委託研究や共同研究によって研究費を得たり、企業の持っている機器を使わせて貰っているのだという。
だから、産学協同はけしからんなどと軽々に批判できない。研究者のおかれている状況があまりに貧しく、そうせざるを得ないのだ。
それでも職を得ている研究者はまだ恵まれている。文科相が旗をふって博士を量産してきたが、受け皿がない。いつまでも職につけない、いわゆる「ポスドク」問題が深刻化しているのが現状だ。
恵まれた環境で優遇してくれる条件が与えられば、それは誰もが飛びつく。
「千人計画」に日本人の研究者が参加することに非難はできない。

20年ほど前に中国の製造工場を見てまわったことがある。いくつかの現場では日本人の技術者たちが現地の人たちを指導している姿があった。
訊けば日本の企業に勤めていたが、自動化が進むなかで人員整理の対象になり、職を求めて中国に渡ったのだという。
中国では技術が向上すると他に転職して給料があがるようで、仕事が終わってからも残って日本人に教えを請うという。生徒が熱心だと先生も熱心になるから、両者は非常によい関係に見えた。
かくして日本の技術ノウハウが中国に移転していく。
熟練の人を粗末にした報いである。
「捨てる神あれば拾う神あり」
菅ごときに言われるまでもなく、人々はみな「自助」努力をしているのだ。

 

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