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2020/12/01

落語家を題材にした映画二本

落語家を題材にした映画二本のビデオを立て続けにみた。ご覧のなった方も多いだろうが、次の作品だ。

『しゃべれどもしゃべれども』(2007年制作)
監督:平山秀幸
脚本:奥寺佐渡子
【主なキャスト】
国分太一:今昔亭三つ葉
香里奈十:十河五月
松重豊:湯河原太一
森永悠:村林優 
八千草薫:外山春子
伊東四朗:今昔亭小三文
【あらすじ】 :
古典を愛する二つ目の落語家・今昔亭三つ葉。思うように腕もあがらず、悩んでいる彼のもとに、「落語を、話し方を習いたい」とワケありの3人が集まってくる。不愛想で口下手な美人・十河五月、勝気なためにクラスになじめない大阪から引っ越してきた少年・村林優、毒舌でいかつい面相の元プロ野球選手・湯河原太一。3人を相手に「話し方教室」を開くことになった三つ葉だが、3人とも稽古に身が入らない。それぞれの悩みを聞くうちに3人が相談し合ったり助け合ったりしながら、少しづつ話し方も上達してゆく。やがて五月は東京版の、優は上方版の『饅頭こわい』を覚えたのをきっかけに、二人の発表会を開くことになる。

『の・ようなもの のようなもの』(2015年制作)
監督:杉山泰一
脚本:堀口正樹
【主なキャスト】
松山ケンイチ:出船亭志ん田(しんでん)
北川景子:夕美
伊藤克信:出船亭志ん魚(しんとと)
尾藤イサオ:出船亭志ん米(しんこめ)
でんでん:出船亭志ん水(しんすい)
野村宏伸:出船亭志ん麦(しんむぎ)
【あらすじ】
出船亭志ん田は30歳で脱サラして落語家になったものの、気真面目で几帳面な性格のゆえか「小学生が国語の教科書を読んでいるような落語」のままで足踏みしたまま、前座に甘んじている。師匠の志ん米の家に住み込み修行中で、同居する娘の夕美に密かに恋心を抱いている。志ん米の師匠・志ん扇(しんせん)の十三回忌一門会を開くことになったが、それには後援会長のお気に入りで現在は行方不明の志ん魚を出演させねばならなくなった。師匠の命令で志ん田は志ん魚の居場所を探しだし、嫌がる相手を説得して、志ん魚に新作『出目金』で一門会に渋々出ることになった。

映画の出来は『しゃべれどもしゃべれども』の方が遥かに優れている。
三つ葉の弟子になる3人の暮らしと悩みが掘り下げられており、ストーリーも起伏に富んでいる。それと師匠を演じる伊東四朗がいかにもベテランの噺家らしさを醸し出していた。少年を演じた森永悠は快演で、桂枝雀の高座を真似るのだが、これが上手いのだ。主演の国分太一は相当に稽古を重ねたのだろう、『火焔太鼓』を熱演していた。
落語家を題材にした映画としては代表的な作品になるだろう。

『の・ようなもの のようなもの』は、森田芳光監督のデビュー作『の・ようなもの』の35年後を描いたもので、主なキャストも前作を引き継いでいる。残念なのは師匠の尾藤イサオを始め、総じて演者が落語家に見えないことだ。松山ケンイチは前座としても下手過ぎるし(実物にもいるけどね)、伊藤克信の訛りが気になった。あんな訛って『黄金餅』を演じるプロは存在しない。そのせいか、物語に底の浅さを感じてしまう。

両作品とも本物の芸人も出演しているので、それはお楽しみ。
ただ、両作品ともに盛り蕎麦を食うシーンがあるのだが、これがいけない。蕎麦をつゆにどぼっと浸けて食っていて、あれじゃ綺麗に見えない。プロが指導しているようだが、そこまでは目が届かなかったか。

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コメント

『しゃべれども×2』は矢張りビデオで観ました。
人の悩みの殆どはコミュニケーションについてのあれこれです。
落語の芸は一人芸ですが、高座にあがる前に修行という厳しいコミュニケーションの場が待ち受けています(だからこそ私は落語家を信頼しています)。

だれが実際に出ていたかは忘れたので、自分で確認いたしました。

福さん
亡くなった喜多八が、寄席に来る人は「友達のいない様な人」とマクラで言ってましたが、そういう一面はあるような気がします。

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