愛知県知事リコール不正の闇
愛知県知事リコール不正について、東海テレビ(2012/2/22)が続報を伝えている。
それによると、高須院長が主導し、河村名古屋市長が支援した大村知事のリコール運動では県選管に提出された署名の8割以上が無効とされ、アルバイトが署名を大量に偽造した疑惑が浮上した。
署名簿に愛知県民の名前や住所を書き写すアルバイトをしたという福岡県久留米市の男性は、番組中で次のように証言している。
去年10月下旬、人材紹介会社を通じて佐賀市内の貸会議室に集められ、多くのアルバイトが用意された名簿の名前などをリコール用の署名簿に書き写す作業をしたという。
「大ホールみたいなのがあって、折り畳みの机がダーッと並んでいて、名簿の束がドサドサッと置いてあって、転記する用の名簿があって、そこに名簿を見ながら書き写すようにと指示がありました」
「若い方も男性も女性もいましたし、女子大生くらいの方も。上は50代60代のおじいちゃんおばあちゃんもいました。ぎゅうぎゅう詰めで100人近く。人材派遣会社から募集がきて、それに応募するような形で参加しました」
関係者によると去年10月、リコール運動を支援していた名古屋の広告関連会社の下請け会社から、さらに人材紹介会社を通じて「署名偽造」のアルバイトが募集されたという。その際、団体の事務局から広告関連会社に「人を集めてほしい」と依頼があり、現金数百万円が支払われたとみられている。
発注書の日付は10月中旬。署名集めの期限は、大部分の市町村で去年10月25日まで。最終盤を迎えても署名が必要な数に達しないとわかり、偽造に動いた可能性がある。
また関係者によると、発注書には事務局幹部のものとみられる署名と捺印があり、地方自治法違反の疑いで捜査を進めている愛知県警は、すでにこの発注書について任意で提出を受けたとみられている。
整理すれば流れは次のようになる。
「リコールの会」事務局→広告関連会社(下請け企業)→人材派遣会社
ここでは次の点に注目すべきだ。
①数百万円といわれる金の流れ 資金源と支出を誰が決済していたか?
②不正に使われた名簿を、どこからどの様に入手したのか?
①の金の流れは、事務局からの発注書を調べれば分かってくる。誰が決済したかは事務局長かそれ以上の立場の人間ということになろう。
②の名簿だが、最も可能性が高いのは首長や議員の後援会名簿が横流しされたのではなかろうか。例えば、名古屋市内であれば市長や市議の後援会名簿が利用されたとか。この場合、名簿の使用を誰が許可したかが問題となる。
但し、以上の件は佐賀県での不正のケースであり、他を含めた全体の構図は今後の捜査に委ねられている。
「リコールの会」の責任者らの言い分は次の通り。
高須院長
「絶対にこんなケチくさいことを、僕がやるわけがないです。すごく細かい話ですから、嫌になるくらいケチくさい話で、こんな貧乏ったらしいことをするわけがないです。もしやるんだったら、もっと堂々と大掛かりにやります。みんながあっと驚くような。ほんっとうに貧乏くさい!自分では一生懸命働いて、今社会還元やってる最中だから、現金は持ってますよ。でもそんなことにお金使うために社会還元やっているわけじゃないのに、僕の言葉を聞いていない庶民は、絶対にコイツだって思いますよ。初めからストーリーができていて、そこにはめこまれていることにすごく怒りを覚えます」
河村名古屋市長
「名簿の偽造なんていうのはね、想像のはるかかなたというか、全くありえないことなんですよ」
田中事務局長
「佐賀の、下請け会社うんぬんと言われてるところについて面識は全くありません」
いずれも直接的な関与は否定している。高須の相変わらずの被害者ズラは気になるが。
一方、事務局側からアルバイトの発注を受けたとされる広告関連会社の社長は、東海テレビの取材に対し「捜査に支障があり詳しく答えられない」とした上で、
「これは闇は深いと思いますよ…」
と答えている。
いずれにせよ、高須、河村、田中の3名の責任は免れまい。
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