「報ステのWebCM」への批判は的外れでは
テレビ朝日の報道ステーション(以下報ステ)が制作したCM動画が炎上し、陳謝とCM削除に追い込まれた。その謝罪文が更に批判を浴びているようだ。
このCMは3月22日にYouTubeなどで公開された。仕事から帰宅した女性が「会社の先輩、産休あけて赤ちゃん連れてきてたんだけど、もうすっごいかわいくって。どっかの政治家が『ジェンダー平等』とかって今、スローガン的に掲げてる時点で、何それ、時代遅れって感じ」と話しかけるシーンが描かれていた。
これについて、主に「ジェンダー平等が達成されているという間違った認識に立っていること」といった指摘が行われている。
私はYouTubeを見ていないので文章から判断するしかないが、上記の指摘は的外れだと思う。
最初のフレーズで「会社の先輩、産休あけて赤ちゃん連れてきてたんだけど」と言っている所から、この女性の職場では出産しても女性が仕事を続けていることが分かる。むしろツッコミどころは、コロナのこの時期に職場に赤ちゃんを連れて来ることの是非ではなかろうか。
次のフレーズの「どっかの政治家が『ジェンダー平等』とかって今、スローガン的に掲げてる時点で、何それ、時代遅れって感じ」の後半部分が専ら批判の的となっている。
しかしCMの女性は「ジェンダー平等をスローガン的に掲げてる」ことが時代遅れと言っているのだ。今はお題目のように「ジェンダー平等」を繰り返すだけではなく、どう具体化するかが問われている。
この文脈からすれば、「ジェンダー平等が達成されているという間違った認識」という批判こそ間違えだと思う。
五輪組織委員会で森元会長が失言すれば、会長と担当大臣を女性にして、あたかも「ジェンダー平等」の様に見せる。それも菅首相の「誰か適当な女性はいないか」の一言で森側近の橋本を後任の会長に。野党議員に汚いヤジを飛ばすことで安倍前首相に取り立てられていた丸川を五輪担当大臣に。
そんな見せかけだけの「付け焼き刃」な対処こそ問題なのだ。
こうした世の中の風潮に一石投じたとすれば、このCMに意義があるのでは。
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