無計画な「政府のワクチン接種」
東京五輪・パラリンピックに出場する日本人選手を対象に、新型コロナウイルスワクチンを優先的に接種する案が政府内で浮上していることが4月8日、分かった。来日する外国人選手らと接触する機会が多く、安心して大会に臨むことができる環境を整備するのが狙い。ただ、ドーピング規定との関係や体調管理への影響などの課題もある。
(JIJI.com 2021/4/8 より引用)
この件について、加藤官房長官は政府として検討していないと答えていたが、自民党の下村博文政調会長は14日の記者会見で選手への優先接種をすべきだと述べている。こんな事さえまだ決まってないのだ。
医療従事者への優先接種をうたいながら、4月から高齢者への接種を開始し、そのため医療従事者への接種がさらに遅れると懸念されている。
かかり付けの医師によれば、3月末時点でコロナの重症患者を受け入れている病院でようやく接種が始まったと。自分の所に回ってくるのは5月になるかなと言っていた。毎日、数十名の患者を診察している医師がこのような状態なのだ。
全て政府のワクチン接種が無計画であることから、端を発している。
全国民を対象にワクチン接種を行うというのは国家的プロジェクトだ。大事なことは、「何を、いつまでに実施するか」を明確にすること。それが全く見えてこない。
1.先ずゴール(最終目標)を決める。いついつまでに全国民を対象にした接種を終了すると決める。
2.接種の優先順位を決める。例えば ①医療従事者②高齢者施設従事者③高齢者施設入居者(②と③は同時も可能)④65歳以上の高齢者⑤持病のある人⑥65歳未満の人、と決め、順位は崩さない。
3.①から⑥までの、それぞれの期限を定める。
4.目標に基づき工程表を作成し、各地方自治体とのすり合わせを行う。
5.進行状況をチェックし、遅れが出た場合は原因を確かめ対策を講じる。また遅れが全体に影響する場合はその時点で計画を修正する。
6.担当大臣(プロジェクトリーダー)を一人決め、権限と責任を集中させる。
以上は常識的なことなのだが、国会での論議を見る限りでは、実施しているとは思えない。
従って、次に重要なことは、
7.上記の全てを国民に公開する(可視化する)。
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