菅首相は、いつ「東京五輪のスローガン」を入れ替えたのか
菅首相は16日午後(日本時間17日未明)のバイデン米大統領との首脳会談で、今夏の東京五輪・パラリンピックについて「世界の団結の象徴として開催を実現する」と決意を語った。バイデン氏は支持する考えを表明した。(中略)
会談後に発表された共同声明では、バイデン氏が「今夏、安全・安心な五輪・パラリンピックを開催するための菅首相の努力を支持する」と明記された。
(讀賣新聞オンライン 2021/4/17の記事より)
あれ?今年の1月の施政方針演説では、菅首相は東京五輪を「人類がコロナに打ち勝った証」として開催することを宣言し、その後の首脳会議でも言明して各国の支持を得たと言っていたのだが。スローガンがいつ入れ替わったんだろう。
しかも、国民に対して何も理由を明らかにせず、いきなり日米首脳会談で言い出すなんて、非常識ではあるまいか。
それに「世界の団結の象徴」を本気で考えているのかね。今回の日米首脳会談では、中国への対決姿勢を明確にしたばかりだ。日本政府も旗幟を鮮明にしたことで、今後は中国と厳しい関係になることは覚悟せねばなるまい。
「世界の団結」なんて所詮は絵空事で、これから米中対決を軸に世界各国のせめぎ合いは激しさを増すばかりだ。
五輪を開催する場合でも、取り敢えず政治とスポーツは切り離して、と割り切るしかないのが現実だろう。
最悪のケースでは世界を二分して、東京五輪がかつてのロスアンゼルス大会の、北京の冬季五輪がかつてのモスクワ大会の、二の舞になりかねない。
日本政府にそこまでの覚悟があるかどうか。
「人類がコロナに打ち勝った証」だの「世界の団結の象徴」だのと、そんな空疎なスローガンは無意味であることを知るべきだ。
最初の讀賣の記事だが、バイデン大統領は「五輪を開催するための菅首相の努力を支持する」とは言っているが、開催そのものを支持するとは言ってない。そこを間違えてはいけない。
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