顔の見えない「皇室」
近ごろの皇室に関する話題といえば、専ら秋篠宮家の長女・眞子さんの結婚問題ばかりだ。新型コロナ感染による非常事態が1年以上続いているのに、皇室は何をしているのだろうかと、ふと疑問に思ってしまう。
皇族の方々が誕生日の談話などでこの問題に触れることはあったが、今年の元旦に天皇皇后から新年の挨拶の中でコロナ禍におけるメッセージが送られたぐらいしか、記憶にない。
東日本大震災などの折りには上皇ご夫妻がたびたび現地を訪問し、被災者を励ます姿に感動したのとは大きな違いだ。
感染を恐れて外に出られないという事情も分かるが、例えばイギリスでは、昨年の年末にウィリアム王子夫妻が、コロナ禍においても各地方を列車で回り人々を励ましている。
もし秋篠宮家の方々が同様の行動をとっていたら、眞子さんへの世間の風当たりはだいぶ違っていただろう。公務そっちのけで私的なことばかりしているという批判は避けられた筈だ。
文春オンラインの記事によれば、日本の皇室で公務を担っているのは16名で、85の団体の総裁や名誉総裁を務めている。
対してイギリスでは、約20名の王室メンバーで3000近い団体の総裁や名誉総裁を担っていて、エリザベス女王も600の団体の名誉総裁を担われているとのこと。
名誉総裁とは言っても、その活動は形式的なものばかりではない。それぞれの団体について、今どういう状況なのか把握している必要があるし、節目の式典には出席しなければならない。国民も王室がそれだけ国民のために汗を流していることを知っているから、王室への敬愛の情も生まれるのだと。
日本の皇室と英国の王室では、立場も役割も異なるので単純な比較はできないが、皇室の公務の在り方に考えるべき点がありそうだ。
皇族減少に伴う公務負担の軽減策が課題となっているが、数字で見る限りではその心配はなさそうだ。
いま、安定的な皇位継承の在り方を検討する有識者会議が設置され、有識者からのヒヤリングも開始されているが、いずれにせよ皇室が国民から敬愛される存在であることが重要だ。
会議では、女性天皇・女性宮家の創設や旧皇族の皇籍復帰、女性皇族に「皇女」という呼称を贈り公務を継続してもらう案などが、検討される模様だ。
ただ、旧皇族の皇籍復帰だけはやめて欲しい。あの「竹田家」の皇族復帰なんて、考えただけでもゾっとするぜ。
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