« 宮内庁長官の「天皇は五輪懸念」発言への危惧 | トップページ | 警察の「ストリップ劇場」捕物帳 »

2021/06/27

政府のためか国民のためか、映画『オフィシャル・シークレット』

機密漏洩の罪に問われた主人公が、政府に雇用された人間だから政府のために働くべきだと追及されると、「私は政府ではなく国民のため」と答えたのが印象的だ。命をかけて真実を守ろうとした赤木さんもこんな気持ちだったのだろう。
Photo_20210627091301
『オフィシャル・シークレット』2019年 英米合作映画
監督:ギャヴィン・フッド
脚本:ギャヴィン・フッド、グレゴリー・バーンスタイン、サラ・バーンスタイン
原作:マルシア・ミッチェル、トーマス・ミッチェル『The Spy Who Tried to Stop a War』
主な出演者 :キーラ・ナイトレイ、マット・スミス、リス・エヴァンス、マシュー・グード
【あらすじ】
主人公のキャサリン・ガンは、英国のGCHQ(イギリス情報機関)に勤務している。台湾出身で日本の広島で暮らしていた時期もあった。夫はクルド人。
ある日、米国がイラク戦争を始めるために、英国に国連の非常任理事国の動静を諜報するよう協力を求めていることを知る。キャサリンは戦争を阻止するために、最高機密の米国からのメールをコピーし、反戦運動をしている友人にメディアにリークするよう託す。
ロンドンのオブザーバー紙のマーティンは、イラク開戦に反対する記事を書こうとするが、社の方針は戦争支持でフセインを悪人にする記事を載せろと命じられる。
マーティンは知り合いの女性から、キャサリンのメールのコピーを渡され、専門家に真偽を確かめると本物だという。マーティンは戦争反対の立場をとるジャーナリストのエドとコンタクトを取り、エドがメールの差出人が米国のNSA(国家安全保障局)に実在していることを突き止める。
エドはオブザーバーの関係者と協議し、メールの内容を報道するが決まる。記事は大きな反響を呼び、最終的に文書は本物を考えられ、報道されることになります。キャサリンは事の重大性に驚く。
GCHQでは、この文書を盗んだ職員の調査が始まり、キャサリンも当初は否定するが、同僚が尋問にあう姿を見て、リークしたのは自分だと名乗り出る。キャサリンは警察に連行されて取り調べを受け、秘密情報を盗むのはスパイ行為だと言われる。キャサリンは動機を聞かれると、戦争を止めるためだったと答える。「この戦争はフセインへの戦争ではなく、イラクの一般国民を大量に殺す」ものだと。
夫が国外退去処分にされそうになるなどの嫌がらせを受けるが、不法であることを関係先に訴え、取り消しさせる。
キャサリンは起訴され、人権派の弁護士に弁護を依頼する。弁護士から「無罪を主張すれば罪は重くなる、有罪を認めれば軽い罪になる」と言われが、キャサリンは戦争は違法とし国家機密の公示は合法と主張し、裁判では無罪を主張することに決まる。
2004年に裁判が開始され、キャサリンは無罪を主張する。処が検察側は起訴を取り下げると言い出し、裁判長と傍聴人が驚く中裁判は終わり、キャサリンは無罪放免となる。裁判によって英国政府の違法行為が明らかになるのを恐れて、裁判を避けたのだ。それでもいったんはキャサリンを起訴したには見せしめのためだと、後日検事が語っている。

イラク戦争により、数十万人から百万人ともいわれるイラク人の死者を出した。その混乱は現在も続いている。開戦の口実とされた大量破壊兵器は最後まで見つからなかった。フェイクだったわけだ。我が国も当時の小泉首相が国会で、大量破壊兵器はあると大見得をきって自衛隊の派遣を決めた。
映画は実話に基づくもので、当時の実写フィルムが随所に挟みこまれている。キーラ・ナイトレイが演じる主人公の、静かだが一途な正義感は感動をおぼえる。

 

|

« 宮内庁長官の「天皇は五輪懸念」発言への危惧 | トップページ | 警察の「ストリップ劇場」捕物帳 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 宮内庁長官の「天皇は五輪懸念」発言への危惧 | トップページ | 警察の「ストリップ劇場」捕物帳 »