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2021/06/06

第67回「大手町落語会」(2021/6/5)

第67回「大手町落語会」
日時:2021年6月5日(土)13:00 
会場:日経ホール
<  番組  >
昔昔亭昇『やかん』
春風亭正太郎 改メ
春風亭柳枝『そば清』
柳亭市馬『寝床』
~仲入り~
瀧川鯉昇『ちりとてちん』
柳家権太楼『青菜』

大手町落語会は今回で67回、すっかり老舗の会になってしまった。元々ゆったりとした座席が、フィズカルディスタンスで1席ずつ空けているので楽だ。
軽妙な芸で人気のあった8代目柳枝(『王子の狐』『野ざらし』はこの人がベスト)が死去したのち、しばらく空席だった名跡が復活し、若手のホープ正太郎が9代目を襲名。寄席の襲名興行には行けなかったので、この日を楽しみにしていた。
全体の感想を言うと、先週の立川流の会との大きな違いは、出演者のサービス精神だ。とにかく客に楽しんで貰おうとする姿勢が決定的な違いだ。
それと、この会は前座を高座に上げないのが良い。

昇『やかん』
師匠は桃太郎、初見。明るく陽気なのが良い。ネタは古典だが、『魚根問い』の部分は自作のようだ。

柳枝『そば清』
上手さでは二ツ目時代から小辰と並んで双璧だった。既に実力は真打相当だった。高座は堅実で完成度が高いが、もうちょっと若手らしく弾けた所も欲しいと思う時がある。
初夏に相応しいネタで、蕎麦清との賭けを10枚からというのは始めてで、通常は20枚スタートで演じることが多い。少しハードルが低すぎるかな。蕎麦とうどん、きし麺、トロロそばの食べ分けを見せるオマケ付き。

市馬『寝床』
このネタは、旦那の心の動きを描写してサゲまで演じる8代目文楽の型と、より滑稽味が強く旦那の義太夫に耐えきれず番頭が逃げ出す所で切る志ん生の型がある。近ごろでは、より笑いの要素が濃い上方の桂枝雀の型を採り入れて演じる人もいる。
市馬はオーソドックスの文楽の型で演じた。市馬らしい端正な仕上がりと、登場人物の演じ分けも丁寧で、久々に市馬の充実した高座に接することができた。

鯉昇『ちりとてちん』
先日、新聞に落語家専門の歯科医が紹介されていた。特に義歯を作るのが難しいと。義歯が合わないと喋りが上手くいかず、蕎麦をすする音が出なくなるそうだ。鯉昇の義歯に苦労したとのこと。
いつもの緩いマクラから、本題に入ると一気にギアを上げてくる鯉昇ワールド。他人のやることは貶し、自分は何でも知ってるというマウンティング人間というのは、どこにもいる。そういう奴の鼻をあかす爽快感がこのネタのキモ。

権太楼『青菜』
「植木屋さん、ご精がでますな」で、場内が少し湧いた。私も含めて権太楼のこのネタは何度も聴いた人が多いんだろう。何度聴いても面白いのは芸の力だ。特に長屋に戻ってきた植木屋と女房とのヤリトリは、権太楼の独壇場と言ってよい。

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寄席・落語」カテゴリの記事

コメント

良い番組だったようで何よりです。
実力者揃いで、ザ・落語という演目が多い。
昨日は車で文朝「ちりとてちん」(CD)を聴き、大いに笑っておりました。
マウンティング人間をからかうのが江戸庶民共通の楽しみだったんでしょうね。

福さん
当たりの会でした。鯉昇は顔芸だけで笑えます。

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