新型コロナ発生源に関する米中の不都合な事実
新型コロナウイルスの発生源について、今あらためて検討が進んでいる。
この件について在米ジャーナリストの飯塚真紀子氏の記事が注目される。以下、要旨を紹介する。
今年3月には、前CDC(米疾病対策センター)所長で、ウイルス学者でもあるロバート・レッドフィールドがCNNのインタビューで「研究所から流出したと思う」と発言し、大きな波紋を呼んだ。
そのレッドフィールドが、CNNで問題の発言をした後、「殺しの脅迫」を受けていたことを、米誌「ヴァニティー・フェア」が報じている。
「私は脅され、村八分にされました。別の仮説(研究所流出説のこと)を提示したからです。政治家から脅されると思っていました。科学界から脅しが来るとは思っていなかった」
科学界から「殺しの脅迫」が来たのは、科学者たちが「動物由来の自然発生説」の立場を取り、「研究所流出説」は陰謀論として否定しているからだろうか。しかし、なぜ、レッドフィールド氏は、政治家サイドから脅しが来ると思っていたのか?
元国務省高官たちによると「研究所流出説を調査していたグループのメンバーたちは、繰り返し、“パンドラの箱”を開けないよう警告されていた」という。そのため、ディナンノ氏は「警告は隠蔽の匂いがした。関わらないことにした」と
語っている。
その”パンドラの箱”とは、アメリカ政府が”機能獲得実験”を推し進めてきたからだ。
機能獲得実験とはウイルスを遺伝子操作してウイルスが持つ機能を増強したり、ウイルスに機能を付加したりする実験で、伝染力や致死力が高められたウイルスが流出する危険性もあることから、オバマ政権時代、機能獲得実験に対する連邦助成金の提供が一時中断されていた。米国務省内では、新型コロナの起源調査にあたり、危険視されている機能獲得実験と関係がある可能性がある「研究所流出説」を追究するのはご法度という空気が流れていたのである。
米国立衛生研究所の連邦助成金は、ニューヨークにあるエコアライアンスという非営利研究機関を通じて、武漢ウイルス研究所に送られていた。武漢ウイルス研究所は、2014年〜2019年の間、連邦助成金約340万ドルを受け取っていた。
エコアライアンスの社長ピーター・ダスザックは、2020年2月の科学誌「ランセット」に掲載された、27人の科学者たちが署名した“新型コロナは動物由来で自然発生したものであり、研究所から流出したものではない”とする発表を取りまとめた主要人物である。科学者たちが行ったこの発表が「研究所流出説」はありえないとする見方に大きな影響を与えたと言われている。また、ダスザック氏は、今年2月、武漢で新型コロナの起源調査を行うことが許可された、WHO調査団の唯一のアメリカ人メンバーでもあった。
そう考えれば、コロナウイルスの「研究所流出説」の否定は、米中両政府にとって好都合だったわけだ。
ただ、最近になって「研究所流出説」を裏付けるような研究結果や調査結果が出ている。
米新型コロナ対策チームのトップ、ファウチ博士は、「パンデミックの起源を見つけることは、中国にとっても利益になることです。オープンになって協力する姿勢が明らかに求められています。協力を得るには、一つには、非難しないことです。非難は、中国をいっそう後ずさりさせるだけだと思います」と語っている。中国の協力を仰ぎたいなら、中国を責めるなというファウチ博士の考えは、真実を明らかにする上で重要だろう。
バイデン大統領が、研究所流出説を含めて新型コロナの起源を追加調査するよう指示を出したが、その結果が注目される。
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