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2021/06/10

政府広報費が大手メディアを潤す

昨年からの新型コロナ感染拡大で、TVのCMや新聞広告が激減して経営を圧迫している。その中で政府広報予算が増大したことは、業界にとってまさに「干天の慈雨」となった。月刊誌『選択』6月号は、次のように指摘している。
新型コロナに関する広報は必要だが、それが野放図になっていると言うのだ。政府広報を担う内閣府の予算は85億円で、これはほぼ例年通り。しかし昨年実績でみると、第1次補正予算で100億円が加えられ、この他に厚労省の枠で35億円。さらに第3次補正予算で24億円を獲得している。
不可解なのは、政府広報のスポットCMの単価が、昨年度から急に値上げされたことだ。従来の単価が1億2000万円だったのに対し、昨年度から5000万円以上値上げし1億7800万円になった。通常なら発注量が増えているのだから、むしろ単価は値下げさせるのが常識だろう。この値上げの根拠について政府から詳細が明らかにされていない。
しかも政府広報の広告料は定価で支払われるから、メディアにとってこんな有難いことはない。
この他に自治体による広告がある。東京都の場合、小池都知事が登場してメッセージを朗読するCMに、10数億円の予算がつぎこまれたと言う。都知事選を前にしてCMが流され、事前運動の疑いが指摘されていた。
メディアが政府の広告費に依存するようになると、政府のメディア支配が強まる可能性が高くなる。こちらも要警戒だ。
NHKが首相記者会見を放映するとき、以前は午後6時からという慣例があったが、菅首相になってから慣例が破られ、午後7時や8時からという例が増えてきた。官邸の意向なのか、NHKの忖度なのか、気になるところだ。

話は変わるが、昨日の菅首相の党首討論で、高齢者の優先接種を7月末までに終えるという目標について、1700以上の市区町村の98%が達成できるとしていたが、本当だろうか?
確かに一部の地域では高齢者の接種を終え、64歳以下の人の接種も始まっているようだが、私の住む地域の様に人口の多い所では、かなり遅れている。私自身は7月末までをクリアーできそうだが、妻は2回目の接種が8月下旬の予約しか取れなかった。達成率は50%である。

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