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2021/07/26

第508回「花形演芸会」(2021/7/25)

第508回「花形演芸会」
日時:2021年7月25日(日)13時
会場:国立演芸場
<   番組   >
前座・桃月庵あられ『子ほめ』
春風亭一花『黄金の大黒』 
三遊亭小笑『粗忽の釘』 
古今亭志ん五『お菊の皿』  
   ―仲入り―
桃月庵白酒『青菜』 
母心『漫才』
笑福亭べ瓶『らくだ』
 
花形演芸会の出場資格は「入門してから20年目」となっている。落語家でいえば二ツ目~真打昇進数年後といった層にあたる。普段、寄席に出演する機会が少なく、この会を通じて知り得た人も多い。
トリのべ瓶は、以前に一度聴いて注目していた。仲入りの志ん五は、緩い喋りが魅力。
客席は満員だった。

あられ『子ほめ』
達者な前座だ。

一花『黄金の大黒』 
師匠仕込みなのか江戸弁が立つ。喋りは流暢だし有望な女流だ。ちょいと色っぽいと思ったらこの人、人妻なんだね。

小笑『粗忽の釘』 
今年真打昇進。独特の癖のある喋りは、ネタのリズムに合っていた。

志ん五『お菊の皿』  
やたらハイテンションで飛ばす若手が多い中で、ゆったりとした芸風が魅力。
番町の地名の由来は、江戸時代の旗本のうち、将軍を直接警護するものを大番組と呼び、大番組の住所があったことから番町と呼ばれた。オリジナルによれば、この物語の殿様は、火付盗賊改・青山播磨守主膳とされている。志ん五の高座は全体的には良かったが、殿様に凄みが欠けていたのは、顔が優しいせいか。

白酒『青菜』 
マクラで、オリンピックの開会式や菅首相をネタに毒舌。植木屋がご馳走になった鯉のあらいを、旨くもなんともない酢味噌の味しかしないと言うあたりは、この人らしい。植木屋の女房が押し入れに入るのを見て、亭主が「久々に動くのを見たな」と呟くのが可笑しい。白酒の体形のせいか、前半の涼しさは感じなかったが、後半の暑苦しさは十分に味わえた。

母心『漫才』
お馴染みの歌舞伎の見得を切る所が受けていた。

べ瓶『らくだ』
この人の高座を観ながら思いついたのだが、このネタは東京なら8代目三笑亭可楽、大阪なら近年では6代目笑福亭松喬の名を上げたいが、いずれも顔がちょいと強面。『らくだ』に出てくる人物は、いずれも社会の底辺に属し、一癖も二癖もある人物ばかりだ。このネタの演者は適不適があり、例えば古今亭志ん朝は若い頃演じたが、以後は高座に掛けなかったのは適性がないと思ったからだと推測する。立川志らくで一度聴いたことがあるが無残なものだった。
そういう点でいえば、べ瓶は適性がある。らくだの兄貴分が凄む所は迫力がある。前半はややダレ気味だったが、後半は良く出来ていた。特に屑屋が亡くなった前妻の思い出を涙ながらに語る場面は、グッときた。本当は最後の葬列まで演じて欲しかったが、時間の制約でやむを得なかったのだろう。

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コメント

夏の宵、老舗に飛び込んで鰻が焼けるまで、鯉の洗いで一杯、
なんてこと思っていまだ果たせず・・・
いずれにしても、「青菜」はいい噺ですね。

白酒の毒舌に権太楼がクレームをつけた、と読んだことがありますが、
権師の考えはどのようなものか、真意を測りかねます。

福さん
権太楼は白酒が嫌いなようです。以前の二人の会で、白酒と組み合わせになった事に権太楼が高座で不満を述べた事があります。これについては「権ちゃんそりゃないぜ」の記事で批判していますが。

いつも楽しく拝読しておりますが、初めてコメント致します。
一花さんですが、以前ある会の打ち上げてご一緒したことがあります。その時気配り、目配りの出来る方と感心したのですが、それ以上に歯切れの良い話し方に驚かされ思わず出身地を聞いたところ、浅草橋近辺とのこと。それでは師匠より全然江戸と私が言うと、時々言葉のことで師匠に尋ねられることがあるとの答え。師匠仕込みどころか師匠に仕込んでいたのです。実に一朝師匠らしいですが、それ故に今の一門があるのですね。

夢追人さん
一花は浅草橋近辺の出身でしたか。「まっつぐ」「ふるしき」「おしろこ」の口ですね。

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