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2021/08/14

ベルリン五輪を撮影した映画監督「レニ・リーフェンシュタール」

先日、閉会したオリンピックだが、TV中継の合計視聴時間は60分以下だから殆んど見てないと言って良い。元々、スポーツ番組はプロ野球か大相撲ぐらいしか関心がない。以前はフィギュアスケート(女子)は見ていたが、キムヨナと安藤美姫が引退してから見る気がなくなった。その理由は・・・おっと、ここは口を閉じておこう。
せっかくだから五輪ネタを。
1936年に開かれたドイツ・ベルリン五輪大会の記録映画を撮影した映画監督「レニ・リーフェンシュタール」についてです。
当時のドイツはナチス政権下にあり、ヒットラーや宣伝相のゲッペルスが重視したのは映像、とりわけ新しい芸術だった映画だ。その頃のドイツは映画先進国で、『嘆きの天使』『会議は踊る』『三文オペラ』など、映画史上に残るような数多くの作品を作りだしていた。
才能のある映画監督も次々生まれたが、その一人にアーノルド・ファンクがいた。その彼の元に一人の女性から売り込みの手紙がくる。その名をレニ・リーフェンシュタール。ファンクは彼女に会うとその美貌に一目惚れし、早速主演女優に抜擢する。レニはファンクの傍らで技術を学ぶと、自ら監督兼主演女優となって映画『青の光』を制作する。
この作品を見て、ヒットラーは彼女の芸術的才能に着目し、ニュルンベルクにおけるナチス党大会の撮影をレニに依頼する。彼女はその期待に応えて、『信念の勝利』『意志の勝利』を完成させる。作品は単なる記録映画の範囲を超え、芸術的なプロパガンダ映画に仕上がった。作品はドイツ全土で公開されて大衆は熱狂し、ナチスの人気が高まった。
気を良くしたヒットラーは、ベルリン・オリンピックの公式記録映画の製作をレニに依頼する。彼女はナチスの庇護のもと、巨額な予算と大勢のスタッフをしたがえて、『民族の祭典』『美の祭典』を完成させる。公開されるや、ドイツのみならず世界中でヒットし、ヒットラーの狙いは的中する。
その一方、レニを見出したファンクは不遇をかこっていたが、ナチスから「日本人俳優を使って、ドイツ人が日本に好感を抱くような映画を作れ」という命令を受ける。日独同盟へ世論を盛り上げるための対策だった。日本に渡ったファンクは無名の新人女優・原節子を見出し、主演女優として抜擢して成功。ファンクは女優を発掘する才能はあったわけだ。
1945年、第2次世界大戦が終結し、ナチスは崩壊する。レニは一転してナチスの同調者として糾弾され、映画界に戻ることは許されなかった。生前、レニは「私のどこに罪があるというの」と語ったという。芸術家にとって時に政治との係りは命取りとなる。
今回の東京五輪の公式記録映画を担当したのは、河瀬直美監督だ。
(以上、『選択』8月号の記事を参考にした)

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