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2021/08/05

「ベラルーシ」の印象

東京五輪に出場していた陸上女子のクリスツィナ・ツィマノウスカヤ(ベラルーシ)が亡命を申請し、世界を巻き込んだ騒動に発展しています。ツィマノウスカヤはSNSなどで自身が投獄される可能性に触れながら「帰国するのが怖い」と語っていますが、ベラルーシは「欧州最後の独裁者」による恐怖政治が行われています。
私は2017年7月にツアーでベラルーシを訪れました。旧ソ連の国で今は独立している国にこれまで約20ヶ国訪問していますが、現地ガイドに必ず同じ質問をしてきました。それは「旧ソ連時代についてどう思うか?」というものです。殆んどの国の回答は同様で、「ソ連の方が良かったという人もいるが、多くは今の方が良いと思っている」。
処が、ベラルーシの現地ガイド(日本語が達者)だけは例外でした。私と現地ガイドとのヤリトリは次の様でした。
「国民はレーニンを今でも尊敬しているの?」、答えは「尊敬しています」。
「レーニンが間違っていたからソ連が崩壊してしまったのでは?」、答えは「間違いはありましたが、レーニンが目指していた理想は正しかった」。
「スターリンはどう? ベラルーシでも彼によって沢山の人が粛清されたよね?」、答えは「確かにスターリンは酷い事をしました。でも独ソ戦でナチスドイツに勝利した功績は大きい」。
「独裁体制は良くないのでは?」、答えは「スターリンもレーニンも、あの時代にあっては必要な人だった。国によっては独裁は必要だ。ベラルーシも独裁と言われるが、現大統領が進めた政策によって国は上手くいっているし、国内の争いも起きていない。むしろ民主化した国々に戦闘が起きているではないか」。
「ソ連についてどう思っている?」、答えは「ソ連時代は良かった」。
「今の方が自由があって良いのでは?」、答えは「ソ連について、外側から見るのと、私たちの様に中で暮らしていた立場から見るのとでは、見方が違う」。
「ゴルバチョフについてどう思う?」、答えは「ソ連を解体させたとんでもない人間」。
ガイドは続ける。「私の国籍はベラルーシだが、心はソ連人」。
久々に筋金入りの人に出会いました。
例外はこれだけではありません。
首都ミンスクの中心にある中央広場には、レーニンの銅像がたっていました。地下鉄の駅名も「レーニン広場」です。私の知る限りでは、旧ソ連の国で、こうした銅像が今でもたっているのはベラルーシだけです。
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旧ソ連時代にウクライナで起きたチェルノブイリ原発事故で、放射性物質を含んだ灰の多くがベラルーシに降ってきました。汚染地域の住民は国の費用で他へ移住し、その後も定期的な健康診断を受けています。
ベラルーシでは事故による放射性降下物の70%が国土の四分の一に降り、50万人の子供を含む220万人が放射性降下物の影響を受けたと報告されています。ベラルーシ政府は15歳未満の子供の甲状腺癌の発生率が、1990年の2000例から2001年には8,000-10,000例に急激に上昇したと推定しています。
こうした事がらから核爆弾や原発事故に対する国民の関心が高いのです。
首都ミンスクにある有名な教会には、長崎から贈られた鐘が設置され、教会の敷地内には、ヒロシマ、ナガサキ、フクシマの土がカプセルの中に入って埋められています。
日本との意外な接点があり、近しさを感じました。

 

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