「コロナ対策国会」を開け
7月16日、野党4党は憲法53条に基づく臨時国会召集要求を提出したが未だに自民党は開催に応じようとしない。この間、東京オリパラの開催中でありず、国会議員たちもヒマだったろうに、与党は国会を避けていた。9月に入ると自民党の総裁選があり、このままでは3ヶ月近く政治空白が続くことになる。コロナ感染対策は行政にとって重要課題であるのは勿論のこと、立法府においても重要課題だ。
日本国憲法では、「内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いずれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない」と規定されている。内閣が召集を決定しなければ憲法違反となる。その言い訳として、政府は期限が明示されていないことを挙げているが、条文の精神からすれば速やかに開催すると解釈するのが妥当だろう。その代わりとして閉会中審査が行われたが、決議できないのだから国会の役割は何も果たしていない。
2017年に安倍内閣が臨時国会を先延ばしにし、国会開催と同時に解散した前例がある。これに倣って今回も自民党としては、新総裁の選出ー首班指名ー国会解散・総選挙、というスケジュールを考えているだろうが、これでは自民党による政治ショーの直後に総選挙が行われることになり、フェアーではないし、国会がその役割を果たさぬまま終わってしまう。
特に安倍政権から以降、憲法に立脚した政治=立憲制を否定する動きが目につくが、これでは「自由民主党」の名が泣く。
月刊誌「選択」9月号の巻頭インタビューで、塩崎恭久元官房長官が質問に答えている。
①「大規模感染症流行時の国家ガバナンス改革」を提言し、自民党内では通ったが、政府には無視された。
②政府が「原則自宅療養」という方針を打ち出したのに、自民党内で反対の声をあげたのは自分だけだった。
③感染症について、政治も行政も学会も、有事への準備を疎かにしてきた。
④新型コロナに関する論文が数が少ないを見ても、日本の劣化は明らかだ。
⑤PCR検査について、「いつでも、どこでも、何度でも、無料」が世界の趨勢になっているのに、日本では未だに実現していない。
⑥原因は、政治が科学を大事にしないことが一因だ。専門家の意見を聞いても、オリンピック開催の様に「結論ありき」で進めている。
⑦宿泊療養か野戦病院という最低ラインを死守しないと、国民の命は守れない。
⑧政治の失敗をこれ以上繰り返せば、日本はボロボロになる。
こういう人が総裁になって欲しいと思ったら、今期で政界を引退してしまうんだね。
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