政治の劣化を招いた「政党交付金」
政党を運営する費用は、どう賄うべきか。
①党員の党費
②政党が行う事業収入
③支持者からの献金
政党は国民生活と結びながら資金を集める。日本の各政党も、「政党交付金(助成金)」制度が出来る1994年以前は、そうした活動により収入を得てきた。
「政党交付金」が導入されて、どういう弊害が起きたか。
①交付金目当ての政党が乱立するようになり、小党が生まれては消え、その資金も行方不明となっているケースが多い。政党のビジネス化である。
②交付金の使い道について使途の制限がないことから、資金の流れが見えにくくなってしまった。
③余った交付金は原則、国庫に返納されるべきだが、基金として積み立てることが認めらているため、実際は取り放しになっている。例えば2019年に各党が翌年に繰り越した金額は236億円以上であり、本来は国庫に返納すべきものだ。
④交付金が政党本部から政党支部へ、政党から政党幹部個人へ支出されている。中日新聞が政治資金報告書を元に、自民・国民民主・維新の会・れいわの5党が、2019年に政党幹部らに総額約22億円を支出したと報じたのは、その一例だ。
⑤交付金は、本来は政党の政策作りのための費用に充てられるべきだが、実際は多くが選挙費用に回されている。そのため、権力闘争に使われている実態がある。
国費に依存する政党の体質を改めさせ、政党の自律と自由を守るためにも、百害あって一利なしの「政党交付金」制度は直ちに廃止すべきだ。
私的な存在である政党に、公金を支出すべき理由はない。
強制的に徴収した税金を各政党にばらまく制度は、憲法の「思想・信条の自由」に反する。私は自分が支持しない政党に1円でも払いたくない。
維新の会が、口を開けば「身を切る改革」を叫んでいるが、それなら先ず「政党交付金」の廃止を主張すべきだろう。それなくして、何が「身を切る」だろうか。
(月刊誌「選択」10月号の記事を参考にした)
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