「アベノ皮」が剥がれる日
共同通信社が10月4,5日に行った世論調査によれば、直前に行われた総裁選ショーのお陰で、自民党の支持率が50.8%と高かった。一方、安倍・菅両政権の路線に対して、転換すべきが69.7%と、継承すべきの24.1%を大きく上回った。岸田内閣への指示率が55.7%と、発足時としては低めだったのも、安倍の影響力が強いと見られたのかも知れない。とにかく、安倍政治から変わって欲しいという国民の声が7割近いという事実に着目すべきだろう。安倍が、過去に2度も政権を投げ出しておきながら、依然としてキングメーカー気取りで政治を支配しようとしている姿は異常である。自分に都合の悪い事は全て隠蔽し、国会ではウソの答弁を繰り返す姿は、政治家として失格だ。
では、岸田新政権は数に押されて安倍の言うままに動くのかというと、そう単純ではないだろう。安倍が属する細田派と異なり、岸田が率いる宏池会はリベラル色が濃く、政策が異なる。岸田は総裁選に勝つために安倍の政策を飲むような軌道修正を行ったが、自分が首相になれば独自のカラーを出してくるようになるだろう。そうせずに、安倍、あるいは3A(安倍、麻生、甘利)の傀儡政権になるようなら、菅政権と同様に短命に終わると思う。
そろそろ、「アベノ皮」を剥がさねばなるまい。
それには、野党勢力の伸長も欠かせない。
新型コロナの感染により、私たちを取り巻く社会や生活の在り方は一変した。恐らくは、完全に元通りの生活に戻ることは期待できまい。withコロナの時代に向かって政治はどうあるべきか、来たる衆院選で答えが問われる。
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