加害者の家族に罪はない
事件や事故で加害者になった人の家族に対して、攻撃や誹謗中傷が行われることが頻発している。時には、家族の勤め先まで、嫌がらせがされる例もある。その結果、家族が引っ越しを余儀なくされたり、自殺という事態まで引き起こしている。被害者に同情する心情は分かるが、それとて加害者の家族に対する攻撃は許されることではない。
特に加害者の親が矢面に立たされることが多いが、子育てを経験してみれば分かる通り、親は子どもをコントロールすることは出来ない。同じ両親から生まれ、同じ環境に育ちながら、子どもたちの性格が正反対というのはザラだ。順調にいってるケースもあるが、多くの親にとって子育ては悩みの種だ。
私が中学生の頃、近所に5歳位の女の子に問題児がいた。両親はとても上品な人で、その子も礼儀正しく進んで挨拶し、よその家に上がる時は「お邪魔様です」と声をかけてくる。この一見良い子が、周囲に大人がいないと見ると、幼児を叩くなど乱暴をする。一度、三輪車で遊んでいる子を背後から突き飛ばし、電柱に激しくぶつけるを見た。ぶつけられた子が大声で泣きだしため、家から飛び出した母親に状況を説明し、その母親も女の子を強く叱ったが、ケロッとしていた。子ども心に、私には悪魔の様に見えた。こんな事が続いたため、周りの人の間でもこの女の子のことが評判になり、「将来どんな風になるのかね」という心配の声も上がっていた。しかし、その子の両親に忠告した人はいなかった様で、恐らく親は実態を知らぬままだったろう。また、忠告されても親は戸惑うばかりだったろう。しばらくすると、引っ越してしまったので、その子のその後の事は分からない。
事ほど左様に、子どもは親の思い通りにはならない。成人になった子に対しては、親は無力だ。
ましてや、加害者の兄弟や子どもたちには何の責任もない。
だから、加害者の家族を責めたり中傷したりする行為は、やめるべきだ。
もっとも、そんな事をする連中はネット民と呼ばれる常識の通用しない人たちだろうから、耳を貸してくれるかどうか疑わしいのだが。
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