フォト
2023年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
無料ブログはココログ

« お知らせ | トップページ | 芸の行儀(三遊亭圓生「寄席育ち」より) »

2022/01/04

【追悼】三遊亭圓丈、川柳川柳

Ennjou

昨年末、当ブログが休止中に二人のベテランの噺家の訃報に接した。
新作落語の雄、三遊亭圓丈が11月30日に心不全のため、亡くなった。76歳だった。圓丈の最大の功績は、従来の新作落語には無かった斬新な作品-例えば「肥辰一代記」「グリコ少年」「ぺたりこん」などなどーを作り、新しい道を切り拓いたことだ。
羽織にワッペンをつけたり、ちゃんちゃんこを着ていた姿を思い出す。

 

Senryu

川柳川柳は、11月17日に死去した。90歳だった。
川柳の高座は数々観てきたが、戦中の軍歌と戦後のジャズをつないて演じる「ガーコン」1本だった。これほど一つのネタに拘った噺家は他にいない、歳を感じさせない若々しい声は晩年まで衰えなかった。
川柳が「ガーコン」に拘ったのは、多感な少年期を戦争中に過ごしたことと無縁ではあるまい。
これは、詩人・茨木のり子「わたしが一番きれいだったとき」の世界と重なる。
 わたしが一番きれいだったとき
 あたしの国は戦争に負けた
 そんな馬鹿なことってあるもんか
 ブラウスの腕をまくり卑屈な町をのし歩いた
 わたしが一番きれいだったとき
 ラジオからジャズが溢れた
 禁煙を破ったときのようにくらくらしながら
 わたしは異国の甘い音楽をむさぼった
川柳は今頃は、きっとあの世でもラッパを吹いていることだろう。

合掌

« お知らせ | トップページ | 芸の行儀(三遊亭圓生「寄席育ち」より) »

寄席・落語」カテゴリの記事

コメント

あけましておめでとうございます。
といってよいものか、ご体調を心配しておりました。

お話の二人はあの圓生の弟子。
古典を継承しなかった不肖(?)の弟子たちが語る圓生の回想は
甘くて切ないものがあります。

福さん
有難うございます。まだ体調は万全でなく、ボチボチと書いて行こうと思います。
計らずも圓生の異色の弟子の死が相次いでしまいました。特に円丈は未だ未だ若いのに残念です。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« お知らせ | トップページ | 芸の行儀(三遊亭圓生「寄席育ち」より) »