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2022/01/20

維新にすり寄る関西メディア「維新伝新」

毎日放送(大阪市)は19日、1日放送のトーク番組に日本維新の会を創設した橋下徹氏と現代表の松井一郎大阪市長、副代表の吉村洋文大阪府知事がそろって出演したことに政治的中立性の観点から批判が出ているとして、経緯などを検証する調査チームを社内で立ち上げたと明らかにした。
この件について、毎日放送・虫明洋一社長の記者会見(1月19日)での主なやりとりは次の通り。
記者(以下Q) 放送の意図は。
虫明氏(以下A) 司会の2人が誰と話したいかというところから始まり、橋下さん、吉村さん、松井さんが出演する状況が生まれた。番組審議会で3人を出したことに厳しい意見があった。「放送である以上、不偏不党、政治的な中立という点で問題ではないか」と指摘され、なぜこの番組をこういう形で放送したか検証するため、調査チームを発足させた。
Q視聴者から意見は。
A意見は約20件。3人の起用について不満がある、問題ではないかという指摘があると聞いている。
Q放送前に社内から問題があると指摘はなかったか。
A虫明氏 ありました。
Qそれなのになぜ放送に至ったか。
A虫明氏 まさにその点を調査するよう強く命じている。きちんと調査してコメントを出したい。
Q調査結果はいつまでに出すか。
A虫明氏 3月の番組審議会で報告する。
Qネット上には「政治的公平性を欠く」という意見もある。
A虫明氏 きちんと調査してお話ししたほうがいいと思う。作り手の思いが、見る方の思いと一致しないこともある。「公平性を欠く」という意見が出ているならば、非常に残念だ。
(毎日新聞 2022/1/19 より引用)
当該番組が不偏不党に反する恐れがあることは、社内からも危惧する声があったようだが、放送はなされた。
調査結果を待ちたい。

読売新聞大阪本社がこのほど「包括連携協定」なるものを大阪府と結んだ。いったい何をしようとしているのか。
ただでさえ、在阪の主要メディアは居心地のいい府政記者クラブ、市政記者クラブなどに加盟し、府市から情報提供サービスを受けて、体よく報道コントロールされている。その距離をもっと縮めようというのである。
政治権力と一体化するかのごとき報道機関など、国民の知る権利にこたえられるはずがない。“新聞離れ”が進むなか、権力の監視という本来の役割を捨ててでも生き残りをはかろうとしているようにさえ見える。
「包括連携協定」はそんなものではないという反論もあるだろう。むろん、協定の趣旨そのものは筋が通っている。行政だけで時代の激しい変化に対応するのはむずかしい。民間企業と協力し、地域の課題を解決するのだという。
情報発信や防災対策のために、神奈川県と株式会社LINE、福岡市とYahoo!株式会社がこれを締結するなど、全国各地で取り組みが広がっているのは確かだ。地方紙が自治体と協定を結ぶケースも散見される。
では、読売新聞と大阪府は、具体的に何をどうするつもりなのだろうか。大阪府の資料には、府職員に読売記者が「読む・書く・話す」力を向上させる特別講義を行うとか、府立の小中学校へ出前授業をするとか、読売主催の文化イベントに招待するとか、たくさんの項目が並べられている。実際にどこまでニーズがあるのかはともかくとしても、決して腹に落ちる内容ではない。
ポイントになりそうなのは「大阪府の情報発信への協力」「万博に関連した情報の発信」といった項目だ。情報発信については、読売ファミリーなど無料の生活情報紙が媒体として例示されているが、当然のことながら、府が期待するのは読売本紙であろう。
しかし、万博などの情報発信のためだけに、大阪府が一つの新聞社と手を握ることは考えにくい。万博に関連した情報は、記者クラブで全加盟社向けにいくらでも発表できるからだ。役所まるがかえの記者クラブにいるだけで、放っておいても役人がネタを提供してくれるため、各社は複数の記者を常駐させている。つまり、情報発信に府が苦労するはずはないということだ。
ならば、府は何を読売新聞に期待しているのだろうか。考えられることはただ一つ。吉村府政への、紙面での援護射撃だ。東京五輪もそうだったが、万博という国家的プロジェクトを進める過程では、巨費を投じるだけにメディアからのさまざまな批判が予想される。
万博会場である人工島・夢洲には初期投資約1兆800億円でカジノを含む統合型リゾート(IR)を誘致する予定でもあり、大阪府と大阪市は今年4月までに計画を国に提出することになっている。この夢洲の土壌汚染対策費用だけでも約800億円かかるという。カジノには府民の反発も強く、実現までには曲折が予想される。
読売新聞が今回の協定により、大阪府知事の意向を忖度するようになれば、カジノ反対派の意見は軽視され、推進派の言い分がより大きく紙面に反映されるだろう。
いうまでもなく、万博とカジノリゾートで成功するか否かは、大阪を根城とする日本維新の会の浮沈にかかわってくる。党の吉村副代表をトップとする大阪府が、発行部数ナンバーワンの読売を味方につけたいと思っても一向に不思議ではない。あたかも、読売を御用新聞のごとく利用したアベ・スガ政権のように。
とはいえ、今回の話は大阪府から持ちかけたわけではない。包括連携協定は、あくまで企業側が提案することになっている。
(MAG2NEWS 2022.01.17 より引用)
讀賣新聞の様な全国紙が、特定の地方自治体と協定を結ぶのは前例がないと思う。これが許されるなら、特定の新聞社が日本政府と協定を結ぶことさえ可能だ(もう既に協定を結んでいる社もあるかも)。
狙いはズバリ、大阪府が推進する万博とカジノを讀賣が援護することにある。
この件について某幹部が、「讀賣はやわじゃない」と答えたそうだが、「やわ」なのは今に始まったことではない。戦前は軍部にすりより部数を伸ばし、戦後の一時期は共産党の機関紙と揶揄され、社主が自民党国会議員になったり、安倍・菅政権ではご存知の様な報道姿勢になってきた。

読売新聞も加盟する日本新聞協会の「新聞倫理綱領」の前文には、次のように記されている。
「国民の『知る権利』は民主主義社会をささえる普遍の原理である。この権利は、言論・表現の自由のもと、高い倫理意識を備え、あらゆる権力から独立したメディアが存在して初めて保障される」
「公正な言論のために独立を確保する。あらゆる勢力からの干渉を排するとともに、利用されないよう自戒しなければならない」
毎日も讀賣も、もう一度倫理綱領に立ち返って、自らを省みるべきだろう。

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