久々のNHK太河ドラマ
もう何年ぶりだろう、1月10日久々にNHK太河ドラマ「鎌倉殿の13人」を見た。
太河ドラマに限らずここんとこのNHK連ドラは、やれ東京オリンピックだの、古関裕而だのと、国策の臭いが強くて最初から敬遠していた。見てないから断言はできないが、古関裕而は戦時中は嫌々ながら軍部に協力したなんて筋だったんだろう。
さて、鎌倉幕府は、源頼朝が創設した日本の武家政権だが、「平家物語」や「源平盛衰記」と「太平記」の間に挟まれ、加えて3代で終わってしまったこともあり、あまりスポットライトが当っていなかったきらいがある。しかし、その後数百年と続く武家政権の端緒となったもので、歴史的意義は大きい。
中央ではいちおう平家が権力を握ったとはいえ、のちに清盛亡き後は木曽義仲に京都を追われ都落ちするばど基盤は脆弱だった。それを見こし、特に東国の武家たちは、平家を倒し次は我こそと思ったのだろう。
奥州藤原は義経をかくまい、いずれ何かに使えるとみたのだろう。結果はこれが裏目に出て奥州藤原は滅亡させられてしまうのだが。
一方。伊豆の有力な豪族だった北条家は、流人として伊豆にいた源頼朝に目をつけた。源氏の正当な継承者として、平家打倒の看板としての資格十分と見たのだろう。長女・政子を妻にして体制を整えた。そして意図通り、平家を倒したのちに頼朝の死後は、名実ともに北条が実権を握ってゆく。とりわけ、妻の政子は幕府樹立から承久の乱に至る大事な時期に、尼将軍として力を奮う。日本の歴史上でも、女性が最高権力を動かした最初の例ではあるまいか。
まあ、この見立ては私の素人了見にすぎないが、これを三谷幸喜がどう料理するかが楽しみだ。
話は変わるが、近ごろのNHKは年配者を切り捨て若者にシフトした番組作りを進めているようだ。年配者は黙ってても受信料を払ってくれるので、不払いの多い若者にターゲットを合わせているとか。でも、あまり甘く見ていると、しっぺ返しを受けるよ。
正月、年始に来た娘から「笑点」に桂宮治が新加入したのをどう思うか?と訊かれた。新メンバーは芸協から選ばれるとみていて、それなら宮治か柳亭小痴楽のどちらかと思っていたから、予想通りだったと答えた。宮治は前座の頃から何度も見ているが、あのガツガツした芸風は好みじゃないけど、とも。
落語が好きだというと、よく「笑点」が話題に出るが、もう何十年も見ていない。なにせ私が見ていた頃の司会は、立川談志や前田武彦だったんだから。「笑点」の主題歌も今は楽器演奏だけだが、かつては歌が入っていた。「笑う点なら、そのものズバリ、それがご存知それがご存知、笑点だーよ」なんてね。
今は昔の物語。
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コメント
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歴史で面白いのは動乱期で、従って日本史では「源平の争乱」と「幕末・維新」でしょう。
人々の様々な思いが交錯し、悲喜交々の諸相が描出されます。
今回の三谷作品が期待されます。
私が好きだった大河は「元禄太平記」(赤穂事件)「風と雲と虹と」(将門記)です。
前者は江守徹、石坂浩二、後者は加藤剛が見事でした。
投稿: 福 | 2022/01/13 06:42
福さん
太河ドラマで過去に人気が高かったのは、「源平」「太閤記」「忠臣蔵」ですが、鎌倉幕府の時代はそれに劣らず興味ある素材です。今回は1年通して見たいと思っています。
投稿: home-9 | 2022/01/13 08:50